両想い…なんですね。 【ハイキュー】 【日向翔陽】

春高直前。 ページ18

ついに、春高の日がじりじり近付いてきました。

1日、1日とカレンダーを確認するたび、だんだん近付いて行っているのが、私の胸を高鳴らせる。

帰る時間がだんだん遅くなっている。

翔陽くんと影山くんは、新しい速攻を練習している。

一緒に帰れる日も、だんだん減ってきた。

だから、最近はちょっと翔陽くん不足なのである。

もうすぐ春高だし、邪魔しちゃいけないんだけど…

今日は、久しぶりに翔陽くんと帰れた。


『今日は、一緒に帰れるんだね』


日「うん、俺たち、練習しすぎだから、さっさと帰れって大地さんに言われた」


『そっか。確かにね。練習も大事だけど、体を休ませることも大事だよ！』


日「わかってんだけど、やっぱり、上手くなりたいから。まだ、足りない気がするんだ」


そう言う逍遥くんの目はいつになく真剣で、私はなにも口出しできなかった。
でも、すぐに


日「腹減ったーっ！」


と、にかっと笑って、いつもの商用くんに戻ってしまった。
私は、何事もなかったように話し始める。


『そうだね。晩御飯、なににしよっかなぁ』


頭の中で、冷蔵庫を開ける。
にんじん、たまねぎ、ピーマン、ひき肉、豚バラ。

カレーは…カレールーがないなぁ。
シチューも、今バター切らしてるんだった。

どうしよう？

あ、そうだ。肉詰めピーマンにしよう！
ちょっと多めに作って明日のお弁当のおかずにしよう。


『よし！肉詰めピーマンにしよう！』


晩御飯のおかずが決まったことに、私は満足し、独り言をつぶやく。


日「肉詰めピーマンっ！うまそう…俺も食べたい！」


『明日、お弁当に入れてくるよ。食べる？』


日「食べる！」


にっくづっめぴーまん♪と謎のリズムを口ずさみながら、スキップする翔陽くん。

よし、明日は多めに持ってこよう。


『あ、もう家ついた。ばいばい。今日もありがとう』


日「こちらこそ！また明日！」


家に入り、ちゃんと手洗いうがいをして、ご飯を作る。
味噌汁は、わかめととうふ。
昨日炊いて余ったご飯をチンして、食べた。
うん、今日の肉詰めピーマンはいい出来だ。
甘辛いたれがきいてるな。

翔陽くんの喜んだ顔を想像して、思わず口元が緩んだ。

私は、家に誰もいないことに感謝した。

だって、誰かいたら絶対、なににやにやしてんの？気持ち悪いとか言われるじゃない。

そのおかげで、私はおおっぴらに妄想にふけることができるのです。

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