眠気は強い。 ページ36
楽しい時間というのは、あっという間に過ぎるものだ。
クレープ食べて、そこらへんをぶらぶらしていたら、帰る時間になってしまった。
帰りは、電車で帰ることにした。
二人並んで席に座る。
『あっという間だったね』
日「うん」
『ふぁ…』
いっぱい歩いたのと、初デートで精神的に疲れた。
小さなあくびが漏れる。
目が、だんだんとろんとしてくる。
眠そうに首を揺らす私に、翔陽くんが話しかける。
日「眠いのか?」
『うん…』
日「駅までまだ時間あるし、寝たら?着いたら起こす」
『うん…』
揺れる電車と、線路を走る音。誰かの話し声がいいBGMになって、私は眠ってしまった。
日向side
帰りの電車、Aが眠たそうにしていた。
起こしてあげるから寝たら?っていう言葉には、ちょっと下心があって…
だって、Aの寝顔が見れるじゃないか!
すぅ、すぅ、と小さな寝息を立て始めたAを見てみる。
その顔は天使そのもので、ただでさえ幼いのに、もっと幼く見えて、どこか儚くて、すっと消えてしまいそうだった。
ぎゅっと抱きしめたい。
でも、ここは電車。
公共の場では、ちゃんとルールを守らなきゃいけない。
しばらくそんな状態が続いた。
突然、肩に重みを感じる。
背後霊!?いや、それは、Aだった。
俺は、言葉にならない叫び声をあげた。
俺たちを見る人たちの目は三種類。
微笑ましそうに見る目。
羨ましそうに見る目。
そして…
殺意に満ちたすごい剣幕の目。
一つ目と二つ目は、別になんともないんだけど、問題は三つ目だ。
ピリピリとした殺気が体にまとわりつく。
でも、別にこれは不可抗力だし、そこまで殺気を、送らなくても…
でも、本気でリア充爆発しろと思っている人には、そんな言葉は通用しない。
あ〜っ!早く駅に着いてくれ!
せっかく、可愛い寝顔を拝めたというのに、俺は、そう願うしかなかった。
……
「烏野駅〜烏野駅〜」
やっと着いた…
30分ぐらいのはずなのに、3時間に感じられた。
日「ほら、A。起きて。着いたよ」
『んにゃ?もう…?』
もうじゃなくてようやくだよ!
『あれ?翔陽くん、汗かいてるよ?』
日「え?あぁ…な、なんか暑くて!」
『へぇ。そう』
実際は、送られてくる殺気に緊張して汗が出たのだが、そんなこと口が裂けても言えない。
『今日はありがとう!また明日ね!』
日「え?送ってく…」
『今日は、お兄ちゃんがいるの…』
日「…そっか…じゃあ、また明日!」
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なつたね(プロフ) - あははははさん» ありがとうございます!!そんなに褒めていただけるなんて…嬉しい限りです!wi-fiが早く治ることをお祈りいたします…日向最高! (2021年1月1日 18時) (レス) id: b5f72c725d (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 作者さん……めっちゃオモロイです!やっぱ日向かっこいいっすよね!!あと作者さんのお話ギャグ線高くてすきっス!この小説面白すぎてお家のwi-fi壊れても他のネット環境のとこいってみてまいますー!これからも頑張って下さいナ☆あ、ちなみに妾の推しは日向じゃ☆ (2021年1月1日 11時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
なつたね(プロフ) - 名無し46826号さん» あざっす!! (2020年9月8日 21時) (レス) id: b5f72c725d (このIDを非表示/違反報告)
名無し46826号(プロフ) - なつたねさん» めちゃくちゃオモロイっす!!!! (2020年9月8日 21時) (レス) id: a3e121aa31 (このIDを非表示/違反報告)
なつたね(プロフ) - 名無し46826号さん» あ、ありがとうございます!?すっごく嬉しいです!私は、ただ自己満足なだけなんですが…こんな風に思ってもらえるなんて!今日が寿命なのかな? (2020年9月8日 7時) (レス) id: b5f72c725d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつたね | 作成日時:2020年8月11日 16時