その涙を拭いたい (ページ43)

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42話ページ43

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神宮寺side

玄「ねえ、神宮寺..？」

神「ん？」

玄「紫耀と廉、どうなるかな...？」

神「.....」

紫耀が帰り、一人残った玄樹が俺に尋ねる
こればかりは2人の問題で俺らがこれ以上首を突っ込める事じゃない。俺らに出来るのは見守る事しか出来ない
不安そうな顔をした玄樹のその気持ちを拭う様にそっと頭を撫でる

玄「...。そういえば神宮寺、2人が付き合ってる事聞いてもびっくりしてなかったよね？気付いてたの？」

神「ん？まあね？」

＊

俺が2人の関係性に気付いたきっかけ、それは廉が調子が悪そうにソファーに座っていた時の事
俺が声をかけて頭を撫でると甘える様に凭れかかってきて眠りについた廉をそのまま受け止めて起こさない様にしていると、誰かが俺達の前に立った

神「...紫耀？」

紫「......」

顔を上げてみるとそこには紫耀が無表情で立っていた

神「紫耀？どうした？」

紫「...ジン、そこ変わって」

何で？とか廉が起きちゃうんじゃない？とか色々思う事はあったけど、有無を言わさない紫耀の圧に押されて廉を起こさない様に軽く支えながらそこをどき、紫耀はそのまま俺の座っていた場所に腰掛け廉の頭を自分の肩に寄せる

俺はそのまま2人の向かいにあるソファーに座り、スマホをいじるフリをして2人の様子を盗み見る

紫耀は廉の頭を不器用に、でも優しげに撫でている。その瞳はびっくりするくらい穏やかで、愛しいものを見る顔をしていて。

そこで俺は2人の関係がただのメンバーや友人では無い事に気付いた
紫耀とは長い付き合いだけど、こんな表情は初めて見るし、2人の空間が特別なものに感じたから

だから俺は、2人が付き合っている事より、2人が上手くいっていない事の方が驚いた
あんなに全てが愛しいという表情を浮かべていたのにどうして？と疑問に感じて真意を聞いてみると廉の事を考えるあまりすれ違ってしまっていたらしい。

普段器用な紫耀がこんなに不器用になるなんて、よっぽど廉の事が好きなんだな、と思いつつ自分に出来る最上のアドバイスにしたつもり。

...後は紫耀、お前次第だよ..

神「あいつらなら大丈夫って、俺は信じてるから」

玄「...そうだよね、俺も2人を信じる」

2人ならきっと大丈夫だから

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補足:7話見てから読み直すと分かりやすいかもです