その涙を拭いたい (ページ38)

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37話ページ38

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紫耀side

病室に辿り着き、ドアを開ける

廉「..誰..？」

音に反応してこちらを見る廉に声をかけられるけど、それを無視してベッドの脇に立つ

廉「...？ホンマに誰？」

誰か分からず戸惑いを見せる廉を他所に、俺はベッドに腰掛け、廉の目元についている包帯をそっと外す

紫「...っ」

見慣れたはずの廉の瞳は金色に染まり、窓から入る夕焼けに反射してキラキラと輝いていて
まるでこの世の物とは思えない程美しくて、思わず息を呑む

その美しい瞳をもっと近くで見たくて、廉の頬を両手で優しく包み込み、自分の顔をグッと寄せる

すると、今までキョトンとした顔をしていた廉の顔がハッとした顔になり「この香り..」と呟く

廉「...紫耀？」

紫「...」

廉「紫耀やんな、あの、俺、」

紫「黙って、」

廉「んっ..」

言葉を遮り、金色に輝く瞳に唇を寄せる
気配を察してゆっくりと閉じられていく瞼に優しくキスをする

片方の瞼にも唇を落とし、それを幾度となく繰り返す
受け入れて、されるがままな廉に愛しさが溢れ出し、唇にキスをしようとした..瞬間

"星涙病って言う病気になってるんだ"

"恋愛を拗らせると涙が星のカケラになって、更に拗らせると色が見えなくなったり視覚を失ったりする病気"

岸くんの言葉が頭をよぎり、動きを止める

廉が今こうなっているのは俺が原因だ
そんな俺がキスしたり、愛しいなんて思っていいのか

廉「...？」

紫「...ごめん、」

廉「！しょう、待ってや！！」

廉から体を離して引き止める声を背中に受けながら足早に病室を出る

俺が、自分勝手な感情で動いて
廉を追い詰めて、あんな姿にして

そんな俺に、廉を思う資格なんて、無い

俯いた状態で廊下を歩き、そのまま外に出る

紫「...はぁ、」

無意識にため息を着く
そんな時、出入口のドアの横から声をかけられる

「そこの悩んだ顔してるお兄さん」

紫「...？」

思わず顔を上げて、声が聞こえた方向を向くと、

神「お悩み相談の相手に、国民的彼氏はいかがですか？」

紫「...ジン...」

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1番書きたかったシーンがこの病室での2人のやり取りなんですが上手く表現できない..
足りない部分は皆様の想像力で補っていただければ..(丸投げ)