その涙を拭いたい (ページ35)

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34話ページ35

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岸side

そう言って悲しそうに笑う廉にかけてあげる言葉が見つからなくて、代わりに廉の手を握り今日は廉の病室に泊まろうかなと伝える

嬉しそうに「ええの？」なんて言う廉の頭を撫でた後に立ち上がり、泊まりの許可を取りに行く
難なく許可は降りて、廉のベッドのすぐ横に簡易ベッドを置いて寝転ぶ

嬉しそうに話をする廉は病気の事を話さないし、俺も聞かない

懸命にいつも通りに振る舞おうとする廉の姿が健気で、いじらしくて

俺が、守ってやりたい
そう思った

眩しい朝の光で目が覚める
いつの間にか眠ってしまっていたみたいだ

隣のベッドで眠る廉を起こすと、寝ぼけながらふにゃふにゃと「おはよう」と言われる
その姿が可愛くてつい頭を撫でてしまう

廉「子供扱いせんといて！」

そう言って頬を膨らませる廉の頭を更にぐしゃぐしゃと掻き混ぜる様に撫でる

「やめてや！」なんて言いながら無邪気に笑う廉が可愛くて可愛くて、俺も笑みを深める

ちょっとして看護師さんが病室に来て、廉に包帯を着けていった
廉のグチャグチャになった頭を見て何かを察したのか、笑いながら「仲良しですね」なんて言うからちょっと気恥しい気持ちになった

岸「そう言えばさ、」

廉「ん？」

岸「廉、仕事どうするの？」

廉「..するで？」

岸「どうやって？」

廉「...それは、」

岸「なあ、廉さえ良かったら治るまで俺ん家来ない？」

廉「えっ、」

廉の病気が進行し、紫耀と廉の関係性が不透明な今
廉のそばにいて支えてやる人間が必要だ

そう思った俺は、俺に迷惑がかかるからと、渋る廉を迷惑なんかじゃないからと説得して何とか許可を取り付けた

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