その涙を拭いたい (ページ25)

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24話ページ25

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廉side

足を止めて、紫耀のいる方向を見つめる
スマホをいじりながら周りをキョロキョロして誰かを待っているみたいや

その様子に、何だか嫌な予感がしたんやけど足が動かんくて俺はその場に立ち尽くしていた

少しすると紫耀が顔を上げ、少し微笑みながら片手を小さく振る

その目線の先を追いかけると可愛らしい女性が紫耀の車に駆け寄り、助手席のドアを開けて座る

頭がガツンと殴られた様な感覚がする
目の前の光景が現実なのか、そうじゃないのかも理解できなかった

2人はその場で少し会話した後にどこかに向かっていき、ようやく俺は金縛りが解けたかのように行く先も分からないまま歩き出す

足が縺れそうになりながらも、必死に動かして前に進んでいると、目元がズキズキと痛み出す

人並みを掻き分けながら人気のない細い路地に入り、霞む視界でケータイの画面を開く

何回かコール音が鳴り、出てくれた相手の名前を途切れ途切れ呼ぶ

岸「うーい！廉？どうしたー？」

廉「...ゆうたぁ...っ...」

岸「！廉、どうした？！」

廉「ゆうた、目が...、」

また激痛が走り、ケータイを落としてしまう
しきりに俺を呼ぶ優太の声が聞こえるが返事をする気力も余裕もない

ごめん、優太
結局迷惑かけてしもうた

視界が黒く染まっていく中でも
頭をよぎるのはさっきの2人の姿で

ああ、紫耀からしたら俺なんかとっくに必要なかったんや
傍におりたいなんてただの俺のエゴでしかないんや

そりゃそうやんな
だって俺は男で、あの子みたいに可愛くもなければ柔らかくもない
紫耀を優しく包んであげる事もできへん

そりゃ、紫耀だって女の子の方がええやんな...

そんな事を考えているとどんどんと痛みが激しくなってくる
今までで1番ってくらいしんどくて、壁に滑り落ちる様にもたれかかる

れ「...しょ、う...」

薄れゆく意識の中で考える事はやっぱり紫耀の事で

ごめんな、こんな奴で
ごめんな、好きになって
こんな病気になって気味悪いやんな、ごめんな

それでも、

それでも紫耀を好きでいる事をやめられない俺を、許して下さい

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ウマクカケナイ...
自分の表現力の無さに脱帽...

そんなこんなで自分の中で一区切り
次からはお待ちかね(？)紫耀くん視点です
紫耀くんがどういう思いでいたのか上手く書けるかわかりませんが頑張りますのでよろしくお願いします！