【夏油傑】初めまして、結婚して欲しい

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学校に着いたら、
私が学校に着いた時を見掛けていた友人達に
大騒ぎされて、
外し忘れていた指輪のことも聞かれて
慌てて外して、

親の勝手にはめてみただけ

なんていうバレバレの嘘で誤魔化した。



「おはよっ神々廻」

「おはよう、虎杖くん」



隣の席の虎杖悠仁くんは
それはそれは太陽みたいな感じで
すごくいい子。
運動神経がとにかくずば抜けている。



「寝坊でもしたのか？」

「うん、昨日疲れちゃって」

「そっか、大会だったもんな！
お疲れ！」

「ありがとう」



昼は購買でパンを買って、
それからまた授業を受けて、
政略結婚をしたことを忘れるように
ただただいつも通りの日常を送った。

放課後
部活は休みだから、着替えずに
昇降口へ向かった。



ロッカーからローファーを取って
上靴をしまう。




「A！」

「わ、野薔薇。どーしたの」

「なんか五条悟が来てるらしいわよ。
ほら、あそこあそこ」



釘崎野薔薇、1年生は同じで今は隣のクラス。
田舎から抜け出したくて上京してきた子。
気は強いけど、すごく乙女。



「誰それ」

「え、× × × の社長よ。
ビジュアルがいいからモデルもやってる」



私はなーんか、好きじゃないけど、
って野薔薇が付け足した。
分からなくもない。
あれ。そういえば、傑の会社ってなんだっけ。

昇降口で立ち止まって、
財布に取り敢えず入れておいた
名刺を見て嫌な予感がしてくる。



「傑と同じ会社じゃん。
ていうか、副社長だったの…」

「マジィ！？A、知り合いなの！？

夏油傑！！」



テレビは全然見ないし、
雑誌なんて買わないから
微塵も知らなかったけど。



「………婚約者」

「…何がどうしたの！！？？」




.作者
恵ちゃんはAちゃんと同じクラスで
いっちゃん前の席で今回は出てないです

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