【TREASURE】宝 石 病 院 生 活 記 録 ✎५

✧ 混乱と焦りの間で [ 🐯🍀 ] ページ15

【ﾖｼﾉﾘ side】



















《すみません、退けてください! すみません!!》



人混みを抜けてやっと開けた場所に出ると…、




「『A！！！！！』」


A「…っ……はぁっ…はぁっ…、」



やばい、発作起こしてる…。

何かあった時のために持ってきておいた救護用のカバンを開けて、持ち運び用のネブライザーを取り出す。



『A、分かるー?先生来たからな、もう大丈夫やで〜』



Aの口に吸入器を当てながら背中をゆっくり摩る。



ﾏｼﾎ「ヨシくん、AED用のテント準備してもらったからA入れよう!」


『了解!!』






注目されてると感じてAがさらに混乱するとまずいと考えたのかまっしーがAED使用時用のテントを準備してくれていた。



ﾏｼﾎ「A、ちょっと体持ち上げるよ。」


A「…っ……はぁはぁ……。」


ﾏｼﾎ「体ちょっと倒すからなー…大丈夫大丈夫。」



テントの中に入って、体を楽な姿勢に固定させる。



A「ん〜〜けほっ…!!…はぁっ…」



呼吸が出来なくて焦っているのか、時折ネブライザーから口を離してしきりに肩を上下させるA。



『A、息まだ苦しいかもやけど頑張ってもくもく吸わな。』



ﾏｼﾎ「A大丈夫? 吸えそう?」


A「…んっ…っ……」


『お口当てるで? もう少ししたら落ち着いてくるから大丈夫。』


A「(ｺｸﾘ)…けほっ…!」


『胸にお薬貼りたいから前ちょっと開けるな、ごめんな〜…』


A「(ｺｸﾘ)…はぁっ…はぁっ……」



呼吸を助けるテープを胸元に貼って、少し様子を見てみる。



A「っはぁっ…っ……!けほっけほっ…!!」


ﾏｼﾎ「まだ咳出てるね、」


A「…ぅっ……けほけほっ…!」



苦しさからか涙がぽろぽろ溢れ始めてきた…早く楽にしてあげないと、､



『Aごめんちょっと注射打つで、』


A「!?…ゃ……はぁはぁっ……」



ほんの微かに首を横に振って嫌がってるけど、結局体に力が入らずに抵抗できず状態だから、そのままぷすっと注射針を腕に刺す。



A「…たぁ…はぁっ…、…」


『痛かったなごめんごめん。』


ﾏｼﾎ「A頑張ったよ〜…もう大丈夫やからな…。」









この後Aは薬のおかげかなんとか落ち着きを取り戻して、救急車で病院に搬送される頃には疲れて眠りについていた。

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