引力 ページ8
JS
「やー、放課後サイゼで密談なんて青春ですなー。高校生になったって感じだわ」
CL「中学の時とかしたことないの？」
「うちの中学、信じられないくらい山の中にあるんだよね、、」
ほらみろ、僕の手助けなんかいらないじゃないか。
あんなに僕が仲良くならないと仲良くなれないと言っていたくせにチョンロは楽しそうに田中さんと喋っている。
チョンロがお前もしゃべれとでも言いたげな顔でチラチラ僕を見てくる。やめろ、こっちをみるな
「知らなかったなあ、チソンくんとチョンロくんは仲良いんだねえ」
CL「俺がお世話してやってんの。じゃないとチソン、ぼっちだからさ」
何がお世話だ。僕の宿題を写してばっかなくせに、僕がお世話してやってるの間違いだろ
「チョンロくんしっかりしてそうだもんね」
一体どこがだなんだ。
明らかなお世辞なのにチョンロはニコニコして喜んでる。
CL「田中さんはなんでここに？1人だよね？」
「あー、わたしの夢の達成のため」
JS「ゆめ？」
「お、ようやく喋ってくれたね」
ファミレスが夢なんて不思議で、思わず尋ねてしまったら彼女は笑顔を返してくれた。
「わたしの中学、さっきも言ったように山の中にあるの。だからファミレスとかコンビニとかほとんど行ったことなくてさ」
ヘチャンくんもそのことについて話していたような気がする。寄るとこなんて一つもないのに校則に買い食い禁止があるらしい。
「高校生のうちに全部のファミレスいきたいんだ！」
僕もチョンロもいつのまにか笑顔になる。
田中Aを可愛いと思った。
この人にみんなが惹かれる理由がよくわかる。
こういうことを思って、行動して、よく笑う。
誰だって引き寄せられてしまう。
でも僕はここで止まらなきゃならない。嫌な気持ちはもうしたくない。
CL「あのさ連絡先交換しない？ほらチソンも」
「もちろーん」
またチョンロが勝手なことを言う。自分が交換したいだけなくせに僕を踏み台にするなよ。
CL「その、背景」
チョンロが田中さんのスマホをみて何かを言った。
「これ？星雲、綺麗でしょ」
自分のスマホを思わず握りしめる。
電源をつけた僕のスマホには星雲が写っていた。
「好きなんだよね、宇宙とか。実際に私たちの見てる空にこんな綺麗なものがあるんだってわくわくするんだ」
また、引き寄せられてしまった
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
