お話 ページ27
JM
「子供のふりって何？」
JM「そのまんまの意味だよ」
俺が座ってるベンチの横をぽんぽんと叩くと、素直に横に座った
JM「Aはそんなにおバカじゃないでしょ」
「賢いわけでもないよ」
JM「ううん、賢いよ。賢いからみんなと仲良くできるんだよ」
「それは違うでしょ。社交性の問題だよ」
人の気持ちをすぐに察して、その人が欲しい言葉を躊躇いもなく言ってしまう
賢くて、自分勝手だ
JM「ヘチャンはAが好きだよ」
「それ、どんちゃんが言ったの？」
JM「ううん」
「ならわかんないじゃん」
JM「わかるよ」
俺が気づくくらいなら、Aが気づかないはずがない
気付いているくせに
後ろの席から注がれる熱い視線に
Aとの会話の後の笑顔に
イ ドンヒョクの好きに
JM「俺、ヘチャンとは小学校から一緒なの」
「らしいね、二人仲良しだし」
JM「あいつ、うるさいけど悪いやつじゃないよ」
「いつも元気だよね」
JM「顔もかっこいい方だし」
「二人のこと見て女子はいつもキャーキャー言ってるよ」
JM「器用だから何やらせても人並み以上にできるんだよ」
「この前のテストの順位も高かったらしいね」
JM「他人事みたいだね」
「他人事だからね」
俺は、怒った
JM「Aはそう思ってなくても、Aの周りにいる人はみんなそう思ってる。
だって、Aはそう思わせるようなことしてる。
これは揺るぎない事実で、お前はそれを利用して生きてるんだよ。
勝手に人心を開いたくせに、俺たちには何も見せてくれやしない。
Aから見た俺たちは頭の悪いがきんちょに見えるんだろうけど、それはそうなんだけど、
だけど、
それじゃあんまりに」
俺たちが可哀想だ
ヘチャンが
ジェノが
チソンが
チョンロが
ロンジュンが
俺が
お前のことを好きな人全員が可哀想だ
JM「好きに大きさや種類の違いがあれど、みんなお前のことが好きだよ。お前のこと考えて行動してる。
なあ、A
人は誰かに優しくされたいから、誰かに優しくするんだよ。
今俺がこんな話をしても、お前はなんのことかよくわかってないのかもしれないけど
わかってて、その全部を受け取るくせに、都合が悪くなったら逃げようとしてるのか？
あいつらの好意を搾り取って、お前は消えようとしてるのか？
全部わかってんだろ
最低だよ」
「わたしもそう思う。ずっとそう思ってる」
言い返してよ
俺が怒りをあげたのに、Aは何もくれないね
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
