無形物 ページ23
JS
言わなきゃいけないと思った。このままなあなあで終わらせられない。
JN「それで、なんだっけ」
JS「諦められないんだ」
JN「それはAと付き合いたいってこと？」
JS「いや、そういうことじゃなくて」
勉強がわかんなかった時、お腹が減った時、体がしんどい時、嬉しい時、悲しい時、誰かと一緒にいたい時
そんな時、あなたの選択肢の中に、僕が入っていて欲しい。
JS「付き合いたいとか、そんなこと僕から言えないくらい、どんな形でもいいからそばにいたい」
もし、田中さんが僕と付き合いたいと思ってくれたら僕は喜んで付き合う
もし、田中さんが僕と友達になりたいと思ってくれたら僕は喜んで友達になる
形式なんて気にしてられないくらい好き。
きっと彼女は僕のことをそうは思ってくれない。
JN「ひどいよ」
JS「え？」
JN「僕に、ひどい」
この人はずっと辛かったんじゃないだろうか。好きな人の1番近くで、1番遠い
JN「選ばれるのを待つだけなんて耐えられない。1番になりたい」
チソンもそう言ってよ
僕はこの人の笑顔以外を初めて見た。
JN「ずっと隣にいたんだ。隣にいれるように頑張ったんだ」
ジェノくんの気持ちを考えたことがなかった。考えたところでわからない気がしていた。
小学校から中学、高校、全ての時間を共にして、全てのものを注ぎ込んできたイジェノという人は、まだ田中Aに選ばれない。
僕とジェノくんの気持ちはちょっと違うけど、だから、全部はわからないけど、想像だけでしんどくなった。
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
