考査前 ページ21
CL
CL「もうテスト？」
「はやいねー」
文化祭が終わるとすぐテストでみんな休み時間なのに単語帳を開いてたりする。俺は、ロンジュンくんがどこかへいった隙にAの後ろの席に座って数学の参考書を開くAの邪魔をしていた。
CL「A、まだあと5日もあるよ」
「5日しかないんですよ」
CL「俺と青チャートどっちが大事なの」
「もちろん、ロロ会長に決まってます」
Aは笑いながら参考書を閉じて、ようやくこっちを見てくれた。
「会長は勉強しないの？」
CL「うん、前日からが本番」
「さすがです」
CL「Aは案外勉強するんだね」
「実はわたしもあんまりしないタイプ。みんな頑張ってるから一応やってたのに、会長が邪魔するからもういいや」
Aは勉強ができると思う。でもすごいできるわけじゃない。うちのクラスでいちばん賢いのはジェノくんだ。
俺はAよりはできる。そんなに勉強しなくてもこれくらいの成績なんだから俺はすごいんじゃないかな。
CL「次、どこのファミレス行く？」
「その次っていつを指してるの？」
CL「今日」
「勘弁してくださいよ会長」
テスト終わってからね
風が吹いて俺の前髪を優しく撫でた。なんだかAに撫でられたみたい
「次はジェノも連れてっていい？」
CL「えー、いいけどー、なんで」
いやだった。だってこれはチソンとAを仲良くさせるためでもあるのに、ジェノくんが入ってきたらAが攫われてしまう。
「寂しいって言われちゃった」
CL「なにそれ、めんどくさー。ほっときゃいいじゃん」
「ほっときゃいいんだけどね、難しいね。この前ジェノとの約束無視してファミレス行ったの悲しかったらしい」
そういえばあの日、帰りにジェノくんを見た。
俺は気づいてたけどAに言わなかった。気づいてほしくなかったから。
「ロロがいやならジェノと2人で行ってくるよ」
CL「それはだめ！」
急に大きな声を出したからAはびっくりしてる。
ジェノくんはきっとAが好きだ。そんな人と2人きりにはさせられない。チソンに言ったら余計なことすんなって言われるけど、チソンの好きがどんな好きかわかるまでこの距離を保ち続けなきゃならない。
CL「俺が美味しいファミレス探しとくね！」
「美味しいファミレスなんてあんのかな、まあ、テスト明けね」
テストが終わったらしばらく退屈な日々が続く。今繋ぎ止めなければ！ほんと俺っていい友達だな
先生に頼まれた大量のノートを持ってチソンが教室に入ってきた。労いの意味を込めて肩を叩くとチソンが全部落とした。
ほんと、俺がお世話してあげなきゃなんもできないんだから
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
