文化祭 ページ19
JM
「ひま、やな」
HC「ひまだね」
JM「ひまだな」
想定外だった。まあ仕方ないのかもしれない。この現代は娯楽がたくさんあって、遊園地に行けばもっとクオリティの高いお化け屋敷がある。たかが高校生が作ったお化け屋敷では二日目の午後まで繁盛させることは難しいらしい。
HC「いちばん人気のクラス知ってる？」
JM「どこ？」
HC「2組」
「なにやってんの？」
HC「フォトスポット」
「ひゃー、時代だね」
悲しいですなあ、なんて言いながらだらだら話す。AとヘチャンのクラスTシャツはびっしり友達からのコメントが書かれていた。
「まあ、忙しいよりは暇の方がいいかな」
HC「俺、忙しい方がいい」
「気合わないね」
HC「暇大好き!」
ヘチャンはまだAと話すことに慣れないようでいつもテンションが高い
JM「それにしても暇。お前、インスタかなんかで人呼んで」
HC「あ、俺、Aのインスタ知らない」
「ああ、田中Aで調べたら出てくるよ」
HC「てんきゅー」
ヘチャンがAのインスタにフォロリクを送る。
Aのインスタはなんだか意外だ。Aみたいなやつはインスタの投稿とかストーリーとかたくさんしそうだけどAはあまりしない。フォロワーもAにしては少ない100人程度だった。
HC「Aってあんまインスタ使わないの？」
「使わんなあ」
JM「友達多いのに」
「友達は多いね」
HC「スマホ使わないとか？」
「この時代にそんな人いる？スクリーンタイム10時間とかだよわたし」
HC「俺、14時間」
「わたしが言うのもなんだけど、デジタルデトックスとかどう？」
HC「死んじゃうかも、友達と電話とかしてたらこんくらいならない？」
JM「ならないね」
HC「スマホでなにしてんの？ゲームとか？」
「もっぱらYouTubeですかねえ、友達と電話とかしたことないな」
HC「なんで？」
「なんでって言われても、まず友達とあんま連絡取らないな」
俺はAのLINEを知らない。LINEをしたくなったこともない。俺とAはそれくらいの関係だ。
「最近はロロたんがよくLINEくれるけどね」
HC「チョンロ？」
「うん、ほら」
そう言って見せてくれた画面には真っ白で小さな犬が写っていた。
HC「かんわいい」
「家で飼ってるわんこだって、めっちゃ可愛いよね」
JM「お前はほんとに交友関係広いね」
「ロロたんとは一緒にご飯も食べたことあるよ。ロロたん可愛いよね、弟みたい。どんなわがまま言われても許せる」
JM「俺は手が出そうになるね」
ふと横を見るとなんだかヘチャンがもじもじしていた
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
