いつでもちょっと (ページ14)

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おいかけっこページ14

CL

CL「またこの展開だ！！！！」

JS「うるさい」

ここはあの時と同じファミレスで、俺とチソンはあの時と同じように向かい合って座っていた。
あの時と違うのは俺の横に田中Aがいないことだ。

CL「イヘチャンに先を越されてるぞ！！！」

JS「ヘチャンくんと争った記憶がないよ」

チソンはメロンソーダをちゅーちゅー吸っている。
口ではなんてことないと言いながら、教室で楽しそうに話しているイヘチャンと田中Aを見て、それはそれはショックを受けました、とでも言いそうな顔をしていた。
全く俺はいつまでチソンの世話をしてあげなきゃいけないんだろうか。

JS「そもそもヘチャンくんは中学一緒じゃん。戦うとしても同じ土俵じゃ無理だよ」

CL「中学の時一回喋ったことないって言ってたじゃん」

JS「くっ」

あんなに気まずそうな顔をしていたヘチャンくんは今日1日ですごい仲良くなってた。どんちゃんなんて似合わないあだ名で呼ばれて、とろけるような笑顔を見せてた。なにがマルチーズ好きだ。

一緒にファミレスを行った日からチソンとAはちょっと仲良くなったけど、一瞬でヘチャンくんに追い越されてる。
チソンはスマホの画面をじっと見つめて、ストローを噛んだ。
俺は分からない。好きなものを好きというのがそんなに難しいことだろうか。

歳をとるほど生きるのが大変になるとマークくんが言ってた。でも俺は今まで生きづらさなんて感じたことがない。歳を取れば取るほどできることが増えていって、もっと幸せになる。

CL「チソンはさ、Aのこと好き？」

JS「いきなり何言って、」

CL「俺は好きだよ」

チソンの目の中の光が揺れる。
チソンの身体はわかっているのに、心が追いついてないんだろうな。俺にはない感覚だ。

CL「俺さ、まだ、付き合いたいとかそういうのはよくわかんないけどさ、Aと一緒にいると楽しいしんだ。」

チソン、俺はお前の代わりに喜んであげれるし、悲しんであげれるし、好意だって持ってあげれる
でも、俺のものとお前のものは別物だ

CL「Aは、あの人たちとは違うよ」

チソンは俺にないものたくさん持ってる。陰気さも、繊細さも、悲しい思い出も。
俺が途中で捨ててしまうようなものを抱え込んで、動けなくなってる。

JS「僕も、一緒にいて楽しい」

笑った。Aとは違う笑顔、見るとお菓子をあげたくなる

JS「すき、ジェノくんより喋ったことないし、ロンジュンくんより仲良くないし、ヘチャンくんより面白くない僕だけど、

すきなんだ」

心が追いついた。