帰り道 ページ2
CL「いいじゃん、田中の隣の席。俺の隣の席の女子、全然喋ってくれなさそうだよ。」
チョンロが自転車を漕ぎながら悪態をつく。チョンロは後ろの席になったけど周りの人が微妙だったらしい。
CL「田中おもしろそうだし、仲良くなったらクラスでの地位が上がるよ。」
「別に上がんなくて大丈夫。僕はチョンロの席が羨ましい。田中さんの隣の席は緊張しちゃうよ。」
CL「チソンにはちょっと一軍すぎるかー」
しばらく漕いでいると同じクラスのヘチャンくんとジェミンくんがいた
HC「よお！お前らもこっちの道なの？一緒に帰ろうぜ」
ヘチャンくんはピカピカのマウンテンバイクに乗っていた。
「かっこいいね、自転車。」
HC「だろー！うちの高校入学できたら買ってくれるって言われてさー、俺、自転車欲しさに必死に勉強したんだよ」
JM「あんま褒めなくていいよチソン。こいつ調子乗るから」
この2人は中学から一緒らしい。いつもテンポのいい会話をする。そんな2人を見てるのはちょっと面白い。
CL「そういえば2人とも田中Aとおんなじ学校じゃなかった？」
HC「あー、俺あんまり仲良くないんだよ。中2の時同じクラスになりはしたんだけどさ。なんか仲良くならなかったな」
「なんか意外。2人ともなんか似てるから仲良いのかと思ってた」
HC「俺もそう思ってたんだけど仲良くなりてーって思ってる間に一年終わってた。でもジェミンは仲良くない？」
JM「そこまでの仲じゃないよ、普通に会話するくらい。俺よりジェノのが仲良し。あそこは小学校から一緒らしい。」
CL「確かにあそこ2人どっちも陸上部だっけ。」
ジェノというのはうちのクラスの人でどちらかというと静かでいつもニコニコ笑っている人だ。
CL「なんか意外、イジェノと田中Aの組み合わせ。」
JM「Aは騒がしい人より静かな人との方が仲良くなりやすいって言ってたよ。騒がしい人は騒がしい人と一緒にいたらだめだって。だからお前は仲良くなれないよヘチャン。」
HC「いやいや、俺も蓋を開けてみれば案外静かよ。」
どこがだと言ってジェミンくんが鼻で笑う。
JM「だから、チソンもAと仲良くなれると思うよ。」
ニコッと笑っていったジェミンくんはかっこよかった。
僕が田中さんと隣の席なのを憂いていることに気づいていたのだろうか。なんだかわからないけどジェミンくんにはいつも心をのぞかれている気がしてちょっとこわい。
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月16日 18時
