いつでもちょっと (ページ1)

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席替えをしたページ1

JS

高校一年生になってしばらく経って何人かが半袖のシャツをきはじめた。僕はまだ早いと思う。

友達はできた。中学と違って高校は知らない人ばかりで怖かったけれどそれはみんな一緒だった。そこそこな偏差値の高校に入学したので僕に似てる人が多かった。まだそこまで仲良くはないけど、ご飯を一緒に食べてくれるくらいの友達はできた。

先生「席替えするぞ。くじ引け。」

今日は待ちに待った席替えの日。
今は名前順の席で僕の苗字はパクなので廊下側の窓から2列目、前から4番目という微妙な席だった。希望を言うなら運動場側の窓がいい。授業中に外を見てる人ってなんだかかっこいい。多分僕がその先になっても外の景色を眺めたりなんてしないだろうけど。

くじを引いたら18番だった。

「チソン、いいなあ一番はしの列」

友達が僕の番号を覗き込んで言う。確かに一番端の列で僕の希望の運動場側だけど前から5番目だ。

JS「窓側なのは嬉しいけどちょうど柱の横だから外見れないんだよなー。」

「お前外見る時なんてないだろ。真面目に授業受けて、すぐ帰るだけ。」

JS「それはそうなんだけどさ。放課後の教室で真っ赤な空を見るとかしたいじゃん。」

「ロマンチストやねー」

友達は教卓の目の前だったらしい。これは古典で絶対当てられるな。
荷物を全部持って自分の席へ移動する。隣の席は誰だろう。

「ごめんそれ、拾ってくれない？」

うわ、まじか。
僕の隣の席は田中Aだったらしい。

JS「はい」

「ありがと！」

そう言って僕に満面の笑顔を見せる。どうしてこんなに笑えるのか不思議だ。僕はそんなにすぐに全力で笑えない。
田中Aはこのクラスの中心人物だ。背が小さくてよく笑う。ホームルームでよく発言する人。
今は隣の席に大量の荷物を押し込んでいる

「よろしくねー。名前なんだっけ？」

JS「パクチソン、です」

「チソンくんねー、ご趣味は？」

JS「えーっと、強いて言うなら音楽聴くのが好き、かも」

「いいねえ、音楽」

こんな僕にも明るく話しかけてくれる田中Aは本物の陽キャなんだろうな。僕なんかが隣の席でなんだか申し訳ない。でも田中Aが隣の席ならペアワークがしんどくなさそうだなって思った。