story409 一歩前進 ページ30
1回戦の相手が決まらないことには
どう対策し 練習するかさだまらない
それまでは全員の体力
忍耐力等の力の底上げと
彼らそれぞれの実力を
把握する必要がある
就任して日も浅い監督には
欲しいデータに違いない
きっと実力把握の観察を私に手伝わせるのは
私が彼らのかつての仲間であるからだろう
レベルは上がっても基礎となるものは
変わらないから把握しやすい
最初の練習は準備体操 柔軟
軽いウォーミングアップから
紅白戦という流れだった
サッカーの実力は試合形式で
見るのが手っ取り早い
必要なのは試合での動きだ
代表選考会の時も思ったが
みんな レベルを上げてる
リュウジはエイリアの
ファーストランクだったとこから
かなりレベルを上げた
ヒロトや雷門と張り合えてるんだ
どれだけ特訓したのか想像もつかない
綱海も 最初の頃
動くボールに苦戦してた
あれから半年も経ってないのに…
…風丸はさらに早く走れるようになっていた
彼の風になびく長い髪が好きだった
彼の優しい表情が好きだった
彼の暖かな言葉が好きだった
多分 私には勿体ないくらい かっこよくて
可愛くて(これ言ったら怒るんだろな…www)
少し傷つきやすい でも とても素直で
優しくて暖かい心を持ってて
とても人間的な彼が…好きだった……
次の瞬間 風丸と目が合った
風丸「葉月！！」
「へ？わっ！」
私はぼーっと風丸を見てたせいか
目の前に迫っていたボールに気づかなかった
風丸に呼ばれ 間一髪でしゃがんで避けたけど…
監督「よそ見するな」
「ごめんなさい…」
トビー「すまん 大丈夫か？」
一番近くにいたトビーが言った
どうやら彼が空振りしたらしい
「うん…」
私は立ち上がった
そして 深呼吸して 風丸を見た
「ありがとう！！」
風丸「！ あぁ！！」
私は思わず微笑んでた
トビー「よかったな」
「え？」
トビー「いい顔してたぞ」
「なっ！/// 練習に戻れ！！」
トビー「はいはい」
そして トビーはグラウンドへ
練習へと戻って行った
しばらくして 監督が試合を止めた
壁山に何故もっと前に出ないのか？
風丸に鬼道の指示が必要なのか？
そう尋ねてた
さらに試合が進むにつれ
監督の指示は鋭さを増して行った
これ 私 必要ある？？？
今日の練習が終わり
私は集めたデータをレポートにしようと
自室に帰ろう荷物をまとめた
(最終的にパソコンも紙媒体も
更には過去に集めた膨大な資料も
全てレジャーシートに広げていたのだ)
監督「水無」
「はい？」
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作者名：風原 澪羅 | 作成日時：2019年2月16日 1時
