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結局 あのあと、動物園は出て 近くにあった商店街とかで写真を撮った。
カメラを向けると 何もかも違う世界に見えてくる。
例えそれが、ただの錆びれた商店街だったとしても。
健人「割といい写真撮れたかも。」
風磨「こういうのも、たまにはいいな。」
今日 迷惑かけまくったのに この2人は満足そう。
健人「じゃあー、そろそろ帰ろっか」
長い1日が終わった。
いや、時間的にはそんなに経ってないのかもしれないけど、私にとっては長かった。
帰り道 3人で電車に乗ったけど、まあまあな人の数
空いてる席は一つもなかった。
立ってる人も多くて、仕方なく扉側に立ってそこに寄り掛かった。
健人「Aちゃん大丈夫？」
「、はい！大丈夫ですよ！」
相変わらず 中島先輩はずっと心配してくれてる。
健人「あ、俺この駅だから降りるね。」
しばらく 電車に揺れること数分
どうやら、中島先輩の最寄駅に到着したっぽい。
健人「今日はありがとう、また学校で。」
風磨「おう、」
健人「Aちゃんもお大事にね？」
「は、はい…！」
ばいば〜い、と手を振る中島先輩に私も小さく手を振り返して 電車の扉が閉まった。
さっきの駅で 降りる人が多かったからか 一つ、座席が空いた。
あー、座りたいけど 他の人に取られるよね、
位置的にもここ、動きづらいし。
そんなことを考えていたら 目の前に立っていた菊池先輩が私の肩に掛かっていたバッグを取り、空いてる席に一目散に向かって 荷物を置いた。
え…
風磨「ほら、座れ。」
「わ、わたし……？」
風磨「お前以外誰がいるんだよ、
早くしろ」
運良く？菊池先輩が席をキープしてくれたおかげで座ることができた。
「ありがとうございます……
あの…、荷物持ちます、、」
何故か私の鞄を持ってくれる菊池先輩
その鞄の中には もちろんカメラも入ってる。
菊池先輩、自分のカメラも持ってるから 絶対重いはずのに……
風磨「まだ体調悪いんだろ、
黙って寝てろ。駅どこ」
「……あと、4駅くらいです……」
風磨「わかった。
着いたら起こしてやるから、寝とけ」
ちょっと今のイケメンだったかも……
席空いた瞬間取ってくれて 譲ってくれるなんて……
しかも、それを普通のことかのようにしてくれた菊池先輩
心臓がキュッとなった。
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月21日 21時
