【病系短編集】ひとりにしないで。(×JUMP)

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一週間、山田は生と死の境をさまよった。



あの時みたいに雨が降る日。







他のみんなは仕事があって病室には俺しかいなかった。







俺は山田の手を握って寝てしまっていた。







山「…だ、いちゃ…ん？」







山田のか細い声が聞こえたけど、山田は目を覚ましていなくてなんだ、幻聴かな、って。







でも次ははっきり聞こえた。




山「だいちゃん、！」







俺の名前を呼ぶ声。
ここ一、二週間聞きたくてたまらなかった声。







有「やまだっ、」







涙が溢れそうになって、山田の前で泣くわけにはいかないから、俺は山田に抱きついた。






山「ったい！いたいっ、大ちゃん！？」





有「よかった、ほんとに。



俺のことなんか守るから、
俺のせいで山田死ぬんじゃないかって、






よく頑張ったな、ずっと待ってた」









山「…ただいま、大ちゃん。




いいんだよ、おれ勝手に身体が動いてたんだ。






というか大ちゃん、泣いてる？」







有「っ、泣いてねーし」



山「うそ。じゃあ顔見せて？ほら？






あーもう、顔ぐちゃぐちゃ」






有「うっせ。山田だってぐちゃぐちゃなくせに」









お互いの顔を見て笑い合う。
アイドルとは思えないくらいの酷い顔で。





でも改めて幸せを噛みしめた。








・








病室の外。





二人を気遣って他のメンバーは仕事だと偽った。









今すぐにでも駆けて行って顔を見たい。









でも、大ちゃんにも笑顔になってほしいから。









だから俺たちはあとでいいよ、。









空には七色の虹が輝いていた。









Fin

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