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Taiga
5人が俺を取り囲んで何かしゃべっている。
心配するような目。
手を握られる感覚。
ごめん、ごめんなさい。
俺のせいだね。
俺がこんなになって、偉い人に怒られて、俺を庇うせいで仕事を選ばなきゃいけなくなって。
俺のこと気遣って、疲れてるのに俺のこと気にして。
そのせいで、俺の大好きなSixTONESが壊れてく。仲の良かったみんなは、最近どこかお互い気を遣ってる。
世界進出、社会現象、
この6人なら、なんでも出来るって信じて疑わなかった。6人にこだわって今までやってきた。
なんでも出来るみんなは、俺のせいで何も出来なくなってる。
6って数字にこだわるせいで、手放してきたものが多すぎる。
俺の、心が強ければ。
俺がもっとみんなみたいに、明るくてたくさん喋れて、ちゃんと歌えていれば。
辛いことがあっても、逃げ出したくなっても、大丈夫だよって笑顔で言いきれるぐらい俺が強かったら。
5になって。
俺は、要らない存在。
歌えなくなって、ごめんなさい。
捨てないで、なんてわがままもう言わないから。
誰かに手を繋がれて楽屋に戻ったみたいだけど、もう生きてるのかもわからないぐらい、真っ暗だった。
楽屋にスタッフさんが来る度、通路で何人かで集まって話す姿を見る度、マネージャーさんがペコペコと頭を下げて、他のみんなも同じように頭を下げている。
あぁ、きっと俺のことを話してるんだ。
そんなことを考えてしまって、体が震えた。
空っぽになった心と体じゃ、そんなことしか考えられなかった。
声が出なくなって、それでもみんなに迷惑かけたくなくて、頑張って最近また笑えるようになって。
ねぇ、今の俺はどんな顔してるの?
前みたいに笑えてる?
みんなの顔が怖くて見れなくて、一緒に寝ようか?っていう樹の気配りも拒絶した。
部屋で一人、
死にたいな、漠然とした考えは机にあるカッターで現実味を帯びた。
それでも、どこまでも臆病で弱くて、惨めな俺は、刃を突き立てることが出来なくて、腕に線を刻んだだけで終わった。
どくどくと鼓動する心臓、
生きるのに固執してるのは、この心臓だけだ。
そのまま、俺は暗闇に呑まれていった。
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璃斗(プロフ) - 美桜さん» マイボードにてお返事しましたので拝見いただけると幸いです!! (2021年1月19日 21時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美桜さん» ご報告ありがとうございます。私自身インスタグラムの方では活動しておりません.......自分の目で確認したいのでもしよろしければマイボード(私のプロフから飛べるはずです…!)の方でアカウント等を教えていただくことは可能でしょうか? (2021年1月18日 10時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 所々変えてありますがほとんど同じ内容の作品を見かけたのでもし盗作だったらと報告させて頂きました。作者さんご本人がアップされている作品でしたら申し訳ありません。 (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - お久しぶりです。作品終了からしばらく経ってしまった後で申し訳ないのですがInstagramの方でもこちらな作品を投稿なさっているのでしょうか?? (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美華さん» ありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです…!!今後とも、よろしくお願いします(^-^) (2020年5月4日 22時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃斗 | 作成日時:2019年10月13日 12時