屍鬼さんこちら、手の鳴る方へ【文スト】【MHA】 (ページ4)

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Aside

「大きいなぁ」

思わずぽつりと呟く。滅多なことでは驚かない筈なのだけれど、流石にこの大きさは戸惑う。バリアフリーに特化しすぎだろう。

「……爆発した」

扉を開けた瞬間、ボンッという爆発音。その音の先に居たのは、ツンツンとしたクリーム色の髪を持つ男子生徒。……すごく目が吊り上がってる。怒っているのだろうか。じっと見つめていたのがバレたのか、彼はぐるんと首を回して私のところへとやって来た。

「何見てンだよクソモブが」

「……汚い言葉だな」

「あァ！？」

この男子生徒の第一印象は、限りなく悪かった。初対面の人間に睨みを利かせた挙句、"クソモブ"呼ばわり。目付きが悪いのはまだ良いとしても言葉遣いが汚すぎる。兄様とは大違いだ。

「君、本当にヒーロー志望か？それにしては随分と心が狭そうな男だな」

フン、と鼻で嗤う。私は、こんな風に驕り高ぶっている人間が一番嫌いだ。……いや、それは語弊があるな。憐れだと思っている。彼のような人間がどのような末路を辿ったか、嫌という程知っているから。

「せめてその言葉遣いは直しておきなよ。あとで後悔するのは自分だ」

それだけ言って、一番端の席に腰掛ける。それ以降、男子生徒は絡んでくることは無かった。まァ、ずっと鋭い視線は向けられていたけれど。