Good night(k-chan) ページ13
.
「あったかいね」
「うん、幸せ」
すっかり日も暮れて外は真っ暗。小さい子はもうとっくに寝てるような時間に2人ベッドで横になって、布団に包まる。昔もこんなことしてたっけなとか思うけど、今では関係もガラッと変わってるしこんなこと久しぶり。
眠いからなのか、暖かいからなのか、こうちゃんとだからなのか、それとも全部か。こういう時間が幸せでしょうがない。
「ねぇこうちゃん?」
「なに?」
「私が寝るまで色々聞かせてよ、私の知らないことたくさん知ってるでしょ?」
「まぁクイズの勉強してるから知ってることは多いけど…、Aが聞いてて面白いことかは分からないよ?」
「それが聞きたいの。こうちゃんが夢中になってることを共有して欲しいの」
こうちゃんの腕枕の上で心地よくリラックスしていると私の髪をサラサラと撫でる彼の手。何か起こるんじゃないかって不安になるくらい幸福感に包まれていて、この時が永遠に続けばいいのにと思ってしまう。
「ん〜、実は秀頼と家光は従兄弟らしいよ。因みに秀頼って秀吉と茶々の息子ね」
「へ!そうなの!」
「うん。その茶々と家光のお母さんの江が姉妹だからね」
「ちょっと賢くなった気分」
「面白いでしょ?歴史って」
自慢げに笑うこうちゃん。私は自分の好きなことを話している彼な顔が大好きだ。小さい頃からずっとずっと、その無邪気な顔に助けられてきたし、彼が幸せそうにしてたら私もそれで幸せ。
「好きだよ」
「えっ、急に!?」
「好き。こうちゃんのことが好き」
「ちょ…不意打ちは照れるって」
「愛してるよ。ずっとずっと」
「もう無理!1回黙って!」
「へへ」
「もう終わり!おやすみ!」
好きって急に伝えたくなって。暗がりでもわかるくらい真っ赤に頬を染める彼は慌ててるけど、手はまだ私の髪に添えられたままだった。──これならいい夢が見られそう。
「おやすみ、こうちゃん」
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:軌壱 | 作成日時:2020年5月10日 10時