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384. ゼロの執行人 ページ34

【樹side】


風見〔我々公安部の捜査の結果、爆破現場への不正アクセスに“Nor”が使われていたことがわかりました〕



Nor…か…



NorというのはIPアドレスを暗号化し、複数のパソコンを経由することで辿れなくするブラウザソフトのこと



そして、Norの匿名性は原則解除できない



うん、だんだん読めてきたな…この事件



少なくとも既に俺の中では、小五郎おじさんの無実が証明できるくらいの材料は揃った



問題はそれをどう開示するか…



捜査会議の様子を聞いていると、風見さんに収集がかかり一時退出するとのことだった



刑事部と公安部の合同捜査会議の最中に収集をかけるような人物は1人しかいない



そして、その人物はもう少しでここに現れるだろう



「捜査会議の盗聴かな?」



来た



突然現れた安室さん…いや、ゼロさんが声をかけたのは、柱にもたれかかって捜査会議を盗聴していたコナンだった



俺?俺は今シェルター・パーゴラの上にいるよ



つまり屋根の上ね



安室さんやコナンの位置だと見えていないみたいだけど



だからまあ言い方は悪いが2人の様子を覗き見している



安室「毛利小五郎のこととなると君は一生懸命だね…
それとも、蘭姉ちゃんの為かな?」



コナン「くっ…」



ゼロさんには珍しく挑発しているような言い方だ



そんなゼロさんの後ろでガサガサと葉が揺れる音がする



ゼロさんは目線だけ移して口を開いた



安室「構わない、出てこい」



姿を現したのは先程捜査会議から一時退出した風見さん



予想通り、収集したのはゼロさんだったわけだ



風見「何故私を呼んだんです?降谷さん?」



風見さんがそう聞けば、ゼロさんはツカツカと風見さんに歩み寄り、右腕を掴んで捻り上げた



そのままバランスを崩して地面に膝をついた風見さんの袖を探ると、コナンが仕掛けたであろう盗聴器が見つかる



風見「!?」



降谷「これでよく公安が務まるな…」



風見「す…すみません…」



ゼロさんの目に萎縮した風見さんは謝る他選択肢はない



盗聴器を押し潰したゼロさんは、そのままスタスタと歩いて行った



コナンはそんなゼロさんを追いかけ、風見さんも後を追う



2人の死角になったことを確認した俺は、別ルートからゼロさんを待ち伏せした

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作者名: | 作成日時:2022年5月29日 11時

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