361. 紅の修学旅行 ページ11
【新一side】
綾小路「______出栗未智男?
その彼もあんさん達と同じ祇園芸術大学の同級生やったんですか?」
店の中に移動し、出栗さんの話を聞くことになった
6人は学科がバラバラだったようだが、大学の特撮研究会に入っていたことで知り合ったらしい
新一「でも今回の『紅の修羅天狗』の元になった卒業制作のスタッフに、“出栗”って人の名前はありませんよね?」
そう言えば、景子さん達は黙り込んでしまった
話を聞けば、西木さんが卒制の脚本に悩んでいる時、出栗さんが同人誌で書いた漫画である『紅の修羅天狗』を見つけたらしい
当時は出栗さんから断られたらしいが、卒業制作の期限まで時間がなく、結局その話で撮影
しかしそれを見た出栗さんは、『こんなの僕の作品じゃない!裏切りだ!僕の名前を入れないでくれ!!』と怒ってしまい、他の5人だけが脚光を浴びてしまったんだとか
服部「めちゃめちゃ恨まれてるやんか!」
馬山「あ、でも今回の『紅の修羅天狗』の制作発表をした日の夜に、出栗から電話があったんだ!『今は漫画家を諦めて小さなデザイン事務所で働いてる僕だけど、あの話をリメイクするならスタッフロールの片隅に僕の名前を入れてくれないか?』って…」
鞍知「出栗君、自分の漫画が映画化されるのが夢だって言ってたから…」
だが少し手違いがあり、初号試写で自分の名前がスタッフロールにないのを見た出栗さんは失意の果てに自 殺してしまった…
樹「…あ」
高宮さんは唐突に声を発した
樹「そういえばホテルの予約をした時…最初は満室だったのに電話中にキャンセルが出たって話してませんでしたっけ?」
電話中にキャンセル…?
世良「なんか気になるな…」
その流れで、祇園ホテルまで行こうという話になった
樹「にしてもまさかこんな事件が起きるとはねぇ」
新一「そういえば高宮さんはなんでここに?」
結局聞けていなかった理由だ
樹「景子さん達が出栗さんの墓参りに行くって言っててね。俺の母さんが景子さんや出栗さんと知り合いだったみたいだから、墓参りについてってくれって母さんから」
流石高宮さんの母綾香さん、顔が広いこった
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作者名:湊 | 作成日時:2022年5月29日 11時