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229. 純黒の悪夢 ページ29

【原野side】


樹が電話してきた趣旨としては、“クレーン車から脱出して逃げている途中に息絶えたキュラソーを俺が発見した”という設定にするということ



流石の樹でも遺体を回収することはできないし、話を聞く限りだとコイツも相当な深傷を負っている



単純に誰かいないと動けないのだろう



原野「つーか罪を償うって…捉え用によってはキュラソーが死んだだけ(・・)で償ってh…((樹「ある面白い情報をもらった」あっそう…あ、兄貴のことは聞けたのか?」



樹〔ああ。キュラソーはどうやら、グレーンのことを“信用”していたらしいよ。だからNOCだったと知った瞬間は驚いたと同時に納得したんだってさ。それで組織には報告しなかったんだと。
この思考をしているところが既に“黒にはなりきれてなかった”って思ったけど、今言ってもしょうがないしキュラソー自身で決めたことだ。兄貴によろしく伝えてもらえる予定だ〕



俺は樹の兄である“高宮春斗さんの部下(・・)だった”



立場関係的には今で言う降谷さんと風見的な感じで、警察庁警備部公安課に所属していた高宮さんと直接連絡を取る数少ない人間だった



だからこそよく知っている…あの人の人柄の良さ



そしてその人柄が招いたキュラソーの決断…



原野「…フッ…お前の兄貴はスゲェな、樹」



樹〔何当たり前なこと言ってんのさ、原野さん。…そろそろ到着しそう?〕



原野「ああ、観覧車ももう既に通り過ぎてる」



樹と話しながら俺は移動をしていた



公安の刑事には“怪我して動けない人がいないか見てくる”と言って…



原野「…あ、いた」



電話を切って小走りで樹の所に近づいていけば、血塗れのキュラソーと同じく血塗れの樹



血塗れの度合いとしてはキュラソーの方が高いが



原野「…お前、その怪我で普通に立ってるのはなんなんだよ」



樹「まあ全てが俺の血ってわけじゃないからね…」



そういうことじゃなくてだな



そう言いつつも足を引き摺っているのは確かで、明らかに一人で帰れないだろう



原野「で、お前どうやって帰るつもりだ?その足じゃバイクは危険だ。だが俺もキュラソーの身柄を預かる以上すぐには帰れないし、お前が公安に見つかれば、怪我の度合い的にまず間違いなく事情聴取するハメになる。それはやめた方がいいだろ?」



樹「大丈夫。東田さん呼んだからもうすぐ…あ、来た。東田さん!こっち!」



東田「まったく君は…また大怪我したのかい?」



樹「だからすり傷だってば」



ったく…用意周到なこって…

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(プロフ) - hutoさん» ありがとうございます頑張ります!そんな嬉しいお言葉を頂けるとは…(泣)これはテスト死ぬ程頑張らねば! (2021年10月9日 21時) (レス) id: ef148efd04 (このIDを非表示/違反報告)
huto(プロフ) - テスト頑張ってください!次の更新までpart1から見返します (2021年10月8日 20時) (レス) @page32 id: adbf76b9c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年8月15日 11時

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