【名探偵コナン】顔広すぎだよ、いくつの顔？ Part1

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【樹side】


小五郎「では、思い出してください。初音さんの車が炎上した時の状況を…この店から駐車場に出る扉は雨が降っていた為に鍵が掛けられていて、トイレの窓からの出入りも…その窓の下の大きな水たまりの周りに犯人の足跡がなかったことからありえない…」



つまり正面の扉から出るしかないけど、彼が店から出たら誰かが見て覚えている筈なのだ、主役なんだから



安室「フッ…誰も見ていないのではなく、気付かなかったと…僕なら推理しますけどね…」



目暮「ど、どういうことかね？」



安室「トイレで変装したんですよ…あらかじめそれ用の服をトイレの中に隠しておいて」



確かにニット帽や丈の長いウインドブレーカーならば気づかれないし、細かく切ってトイレに流せばオッケーだ



安室「彼はパーティーの最初に皆さんの前で挨拶し、変装前の自分の服装を記憶させていますしね…」



伴場「じゃ、じゃあ初音の車が燃える直前に俺が初音にかけたあの電話はどうなるんだよ！？電話口で初音は『サヨナラ』って泣いてたんだぞ！？」



安室「本当に燃える直前にかけていたんですか？」



伴場「何！？」



安室「本当は、変装をして店を出て駐車場で彼女を待ち伏せ…彼女が車から降りた時に電話をかけたんじゃないんですか？
その電話に気を取られ、背後の注意が疎かになった彼女を気絶させる為に…」



そして明らかに自 殺だと気づいているのにちょっと抜けた推理を披露する安室さん



それだけ抜けた推理をしていても本当のように聞こえるのは、流石は公安警察といったところだろうか



安室「後はおもむろに彼女に電話するふりをして、彼女が遺言めいた言葉を言っているように周囲の客に思わせ…窓の外に目をやって炎上する彼女の車を客達に気づかせれば、目の前で愛する女性に自 殺された悲劇の男の出来上がりというわけですよ…
その時、丁度車の中のスプレー缶が破裂したのはラッキーでしたね…」



電話を調べようにも、どんな会話をしていたかなんてわからない



けど、安室さんの推理には一つ、覆せない問題がある

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