第71話 泣かないで ページ29
多分、デビューする一週間前だった。
6月6日
僕は日本に帰って、お母さんとお父さんにデビューの事を伝えに行った
堂々としている墓石は、とってもカッコよかった
それから、病院にいる兄さんにも伝えに行った
兄さんは週に何回か入院していて、家に帰れるのはほんの少しだと言っていた
僕はお祝い金として貰ったお金を、兄さんの好きなバイクに使った
兄さんが昔から好きだったバイクを中古で買ったんだ
記憶は相変わらず無かったけど、すごく喜んでくれたのを鮮明に覚えている。
丁度検査結果が出て、ひさしぶりに家に帰れる時だった
タイミングが合いすぎて、僕はとっても嬉しかった
だから、浮かれてたんだ
他愛もない話をして、夜に二人でツーリングをした
それが、いけなかったんだ
「A、今日は良い所に連れて行ってあげるよ」
天気は良くないけれど、僕は明日韓国に帰るからと兄さんは言った
何か恩返しがしたいと。
『やっぱり、兄さんはかっこいいね。優しくて、身長も高くて、完璧』
「何言ってんの笑笑Aの方が完璧だよ。弟がアイドルだなんて、俺の誇りだ。俺は病気持ちだからさ……」
『っ違うよ、兄さんはっ…！』
「Aは、ずっと元気なままでいてくれよ？」
『っ………うん！』
僕は、兄さんに病気の事を言えなかった
言いたくなかった
悲しませてしまうから。
本当は、もう会わないつもりだったんだ。
今日で兄さんと縁を切ろうと思っていた
お医者さんともそういう話をつけていた。
記憶障害がだんだん進んでいるから、無理に思い出させずに、僕の事は忘れて、新しい人生を歩んで欲しかった
だから、最後まで笑顔でいてほしかった
「俺さ…友達にアイドルのやつがいたの。」
『？』
「あきらって名前だったんだけど、すっげえイケメンのやつ」
「運動神経も良くて、スタイルも良くて、絵に描いたような顔立ちの、まさに完璧なやつ」
まあ、Aには負けるけどな！
兄さんはそう言って笑った
何故過去形なのか、バカな僕は何も気づかなかった
「そいつ、死んだの」
「……三ヶ月前くらいに…」
『え、』
兄さんの声は、泣いていた
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向日葵(プロフ) - ありがとうございます。これからも、楽しみにしてます。ファイテン（＾ω＾） (2021年12月12日 15時) (
レス) id: 94a9bcecb9 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがーる - 皆様、コメントありがとうございます。 (2021年12月12日 14時) (レス) id: 8e17103fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがーる - 向日葵さん» 全体に公開させて頂いたきました。もし見れなかったら「1234」で見えるようになると思います。 (2021年12月12日 14時) (レス) id: 8e17103fe7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 突然すいません。本当に好きです。3のパスワード教えてもらえないでしょうか？いつも楽しみに読ましてもらってます。これからも、頑張ってください宜しくお願いします。 (2021年12月12日 13時) (レス) id: 94a9bcecb9 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - すごく好きです、続きが気になります！更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年11月8日 1時) (レス) @page34 id: fefd4d5bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅがーる。 | 作成日時：2021年3月5日 23時
