壱ノ型 ページ2
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那田蜘蛛山の戦いが終わったとの報せが入った。
今、柱の皆様は柱合会議に出ていらっしゃる。
竈門炭治郎と鬼の禰豆子。
柱合会議の議題はその二人のことかしら。
私は蝶屋敷で洗濯物を取り込みながら考えていた。
そのうち、隠に背負われて炭治郎と禰豆子が入っているであろう箱がここにやってきた。
箱は血だらけだった。
洗濯物を取り込み終わった頃、
煉獄「A少女!すまぬが、羽織の洗濯を頼めるか?少しばかり汚れてしまってな!」
煉獄杏寿郎様。炎柱のお方だ。
A「もちろんです!早急に洗濯致します!」
煉獄様の羽織だ。丁寧に洗わなければ。
煉獄「……A少女!なぜ隠として働くのだ?剣士としては十分すぎる腕前ではないか!」
私は煉獄様からの思いもよらぬ質問に数分間黙り込んでしまった。
でも、なぜだか煉獄様には話す気になった。
A「私は、香の呼吸を使います。私は早く柱の皆様に追いつきたくて、鬼狩りに稽古に、日々精進して参りました。」
煉獄「うむ!そのことなら俺も承知している!」
A「ですが、いつものように鬼狩りに出た日、その日私は見たことの無い呼吸を使いました。…鬼の呼吸です。」
鬼の呼吸…。
そう。
私はあの日、いつものように鬼狩りに出た。
そこで私は、醜い容姿をした鬼が人々を喰っている所を目にした。
喰われている人々は、みんな優しい目をしていた。
気づいた時には、鬼を殺していた。
いつもと違う感覚。いつもと違う疲労感。いつもと違う呼吸。
私は、なぜか直感した。直感できた。
鬼の呼吸だと。
煉獄「…鬼の呼吸。怖いか?!」
私はずっと怖くてたまらなかったので、怖い。と答えた。
煉獄「大丈夫だ!何も自分を怖がる必要は無い!A少女は、鬼の呼吸の使い手では無い!香の呼吸の使い手だ!俺と共に稽古をしよう!」
予想外すぎた。何もかも。
明日から私は、煉獄様と稽古を……する…?
でも、煉獄様の少し雑な励ましがとっても私の心を癒した。
__そして、煉獄杏寿郎との稽古が始まったのであった。_
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大正コソコソ噂話
万鳥の鴉はすっごくマイペースなので、万鳥が鬼狩りに行かなくなっても急かさなかったらしいよ。
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作者名:うぐいす | 作成日時:2019年11月5日 23時