アバンティーズ Short story (ページ45)

今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:38,418 hit

４５儚く強い君に僕は。３～ﾂﾘﾒ～ページ45

あなたside

ピーンポーン

歩「Aーピンポン出ていいー？」

A「ｾﾞｪｾﾞｪ出なくていいから…ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ」

歩「はぁーい」

気が緩んだらこのザマ

送り迎えできないから保育園も休ませちゃったし

お父さんは出張中

家事もほとんど出来なくて…私は歩夢の母親代わりなのに！

A「…しっかり…しなきゃ…夕食の準備…」

ガチャッ

ツ「病人は寝てなさい！」

A「へ？」

ツ「回れ右しておふとんに戻りなさい！」

A「…はい」

バタンッ

…ツリメくんが来てくれるなんて

A「…夢か」

なんて幸せな夢なんだろう

ツ「あ！Aちゃん起きたお邪魔してます食欲ある？」

A「なんでいるの？！」

ツ「風邪ひいて寝込んでるって歩夢から聞いた！」

A「…なんでツリメくんがここまでしてくれるのよ…」

ツ｢なんでってそりゃ…頑張り屋さんを応援したいのは当たり前じゃん？」

ツリメくんの前だと泣けてしまう理由を

「恋」してるからだと認めてしまうのが怖い

認めて寄りかかってしまったら心の拠り所にしてしまったら

恋を失ってしまった時に踏ん張れなくなりそうで

だけど…それでもそばにいたい

次の日

A「つ、ツリメくんおはよ！」

ツ「Aちゃんおはよー！風邪治った？」

A「おかげさまで！」

この気持ちを伝えないままでも側には入れるよね？

女1「ツリメくんおはよー！！」

ツ「お、おおー」

女2「今日同中メンツでカラオケ行こうって話出てるんだけどツリメくんもどう？」

ツ「マジ？！えっと…」

女1「っていうか、ぶっちゃけツリメくんとAちゃんって」

やめて！

女1「付き合って…」

A「まさかあ！ただの友達！！そうだよね！ツリメ…くん」

ツ「…おう！ただのトモダチ！友達みんな平等！カラオケ行くよ！」

女2「やったあ！」

これでよかったんだ

私はこんなくだらないことにふりまわされたくない

私の世界は弟中心に回っている

歩「なぁんでー？！ツリメさそって3人でご飯っていったのに！！」

A「もう来ないと思うわ」

歩「やーだやーだやー…」

A「しょうがないでしょ！！」

歩「ごめん…なさい」

私には「恋」なんて荷が重すぎたんだ