３，拭えない本質 ページ5
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「A様、髪のセットは以上です
いかがでしょう？」
セットが終わるまで、目隠しは
大人しく目を閉じて待っていると、あれよあれよよいう間にしたくは整った。
ゆっくりと瞼を上げれば、鏡に映る白金色の瞳を持つ“愛し子”は実に見事に着飾り終わっている。
落ち着いた深い紅色にパッと咲いた様な白いレースのドレスは目を惹きつつも静かなデザインだった。
鏡越しの視界からふと実際のドレスを直視する。
言わずもがな、いつも通りにメイド達のオーラがドレスを霞ませるほど纏わりついていた。
羨望、興奮、好意、どの感情もくすぐったい。
こんなに良い使用人に囲まれて、私は幸せな人間だなぁと常々思う。
椅子から立ち上がってメイド達の方に向いた。
『うん、ドレスと合っていてとてもいいわ
皆んな、ありがとう』
「A様、お支度も整いましたので本城へ参りましょう
今から出ればゆっくり歩いて出向くことができます」
『分かったわ』
侍女のアリスの言葉に私は背筋を伸ばし直した。
夕暮れの紅い日差しが差し込む廊下。
優しいその光にずっと包まれたい、そんな事を考えながらも、道中の警備を行う兵士がこちらに気付き跪けば“お疲れ様”と言葉をかけて行かないといけない。
初めて無言で私に対して跪く兵士を見た時、とても動揺した。
どうして自らよりも遥かに幼い子供に膝を降り、頭を垂れては期待や歓喜のオーラを放つのか、当時は全く理解出来なかったのを覚えている。
でもそれが、愛し子という存在に対しての感情だと知った時、私は彼らにそれなりの対応をしなければならないことも理解した。
いまだに慣れない……大の大人が…自分よりも身体が大きい男達が、私の前では無害を示す。
そんな中で私は何度でも繰り返す。
自分達から話しかける事は許されない者へ、口角をゆるりと上げ、見えてもいない目を細め、
『お疲れさまです』
これが私の…………愛し子としての正しい振る舞い……
しばらく歩いて、王宮の奥へとたどり着いた。
向かうのは公の食堂などではなく、王の広間……この国の王族のみが外部を遮断し、夕食を共に取る部屋。
その為、ここから先は許された者のみが入ることができる。
逆に、許しがなければ進むことが許されない。
右を見れば、王族達の侍女やお付きのもの達が首も瞳も動かさずに一列に並んでは主人の戻りを待っていた。
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ルティ(プロフ) - 1さん» 時間がある時に更新していくので、是非最後までお付き合いください♪(*´꒳`*) (9月1日 18時) (
レス) @page28 id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
1 - 凄く面白いです。この後の展開がとても気になる。賢い女の子サイコー！ (8月28日 20時) (レス) @page28 id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
ルティ(プロフ) - 推しが尊い国民☆さん» そう言って頂けてとても嬉しいです♪ありがとうございます！！頑張って更新するので、是非続きもお楽しみに！d(^_^o) (2023年5月1日 12時) (レス) id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い国民☆(プロフ) - ひやぁぁぁぁ!!!!!めちゃくちゃ大好きです!!!!!なんとなく誰が誰が予想？がつくというか…表現がとても分かりやすくて、内容がスラスラと入ってきます!!!!!とても面白いです!!!!! (2023年4月20日 22時) (レス) @page15 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルティ | 作成日時：2023年2月18日 14時
