１９，幼気な記憶 ページ21
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私の思いとは裏腹に演奏が始まり、ダンスの時間が訪れる。
第二王子と共に一曲、二曲と順調に踊っていく。
相変わらず身のこなしが軽い人だなぁ、と考えながらも私は練習の成果を発揮する為、ミスをしないよう意識を集中させる。
その所為か、いつも以上に疲れた上に慣れない人混みと様々なオーラの混ざり合うその空間に酔い、ふらつきを感じた私は王子に小さな声でささやいた。
『シオン様………私、少々夜風にあたって参ります』
「え………………分かった
あまり身体を冷やさないよう気をつけてな……？」
『はい、ありがとうございます』
王子の気遣いを受け取り、そっとその場を離れて入り口へと向かう。
静かな夜の闇と賑やかに光る会場はまるで対比した二つの世界の様に感じられる。
そんな闇に誘われる様にして外に出れば、綺麗に整備された庭園が少し離れてあるのが伺えた。
(行ってみようかな………)
新緑の香りに招かれる形で、私は庭園へと向かった。
『………凄い………』
思わず口にしてしまう。
近くで見ても、かなり丁寧に手入れされていることが容易にわかるその庭園に久々に心が弾んだ。
自然体で、それでいて整備された植物はそれぞれが伸び伸びとその良さを魅せている。
我々国の庭師はヴァラリスの庭師よりもよっぽど腕がいいのだろう。
(久々だなぁ…………)
普段からあまり庭園へ行く時間はないものの、最近は特に、ダンスレッスンや教養に時間を取られて触れる事は愚か、見ることすらできなかった。
＿花は正直よ
一目で、育てている人がどんな人かが分かるの
花が美しく立派であるほど、愛情深い人なの＿
＿でも、おとうさまはおかあさまにもらったおはな、すぐにからしちゃうよ？＿
＿あの人は…ふふっ………
愛おしいものを愛しすぎる人よ＿
＿いとぉしい…？＿
＿そうよ
今はまだ分からなくても、いつか分かるわ
Aっていうお花を愛してくれる人が必ず現れるはずよ
だから、いざという時に枯れないよう強くならないといけないわね＿
＿おかあさまと、おとうさまは…
Aをあいしてないの…？＿
＿あらあら、そんな大変な間違いをしないの
Aのこと、とっても愛しているわ
お母様も、お父様も、Aの事大好きよ＿
幼い頃の記憶が脳裏をよぎる。
あの“愛している”は私へ向けた言葉だったの…？
それとも…“愛し子”に向けた言葉だったのかな…
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ルティ(プロフ) - 1さん» 時間がある時に更新していくので、是非最後までお付き合いください♪(*´꒳`*) (9月1日 18時) (
レス) @page28 id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
1 - 凄く面白いです。この後の展開がとても気になる。賢い女の子サイコー！ (8月28日 20時) (レス) @page28 id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
ルティ(プロフ) - 推しが尊い国民☆さん» そう言って頂けてとても嬉しいです♪ありがとうございます！！頑張って更新するので、是非続きもお楽しみに！d(^_^o) (2023年5月1日 12時) (レス) id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い国民☆(プロフ) - ひやぁぁぁぁ!!!!!めちゃくちゃ大好きです!!!!!なんとなく誰が誰が予想？がつくというか…表現がとても分かりやすくて、内容がスラスラと入ってきます!!!!!とても面白いです!!!!! (2023年4月20日 22時) (レス) @page15 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルティ | 作成日時：2023年2月18日 14時
