略奪させていただきます

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あれからAちゃんのこと気になって




たまに廊下ですれ違うと会釈してくれる
言葉に出来ない感情が胸に残る









流「帰ろーかな」









立ち上がってドアの方を見たとき

ドア付近で教室を見渡す彼女の姿









流「Aちゃん？」



「あ、藤井くん！」




流「どーしたん？」




「のんちゃん、探してて」









連絡がつかないのか携帯を胸の前で握りしめる

そういえば、今日放課後デートする言うてたな









流「望なら、'Aんとこ行ってくる！'
って出てったけど」




「うそ！ すれ違いか〜」









困ったように笑って 携帯に目を落とす

…あいつ、携帯くらいみとけよ









流「玄関、行ってみたら？」









連絡先聞けるの今がチャンス

でもストレートに聞くにはハードルがあって

彼氏持ちって難しいな…









すると携帯を見すぎたのか
俺の視線に気付いて自分の携帯をみて首を傾げる









流「携帯…」




「…？」




流「…どこ、やったっけ」




「…え？」









誤魔化そうと出た嘘に珍しくピンと頭が働く









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流「ごめん、携帯鳴らしてくれへん？」

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