略奪させていただきます

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望「うま、やっぱ肉まんやな」




流「カレーまんやろ冬は」









夏のアイスは温かい肉まんに変わっていて
いつものようにコンビニの前で二人で買い食い









流「…望？」




望「ん、」




流「ごめん、好きになってもうた」









しゃがんでいる望の顔は見えなくて
少しの無言のあとにいつもの穏やかな声









望「…知ってた」

「何年一緒にいたと思ってるん」









俺を見上げた望は全てを察し受け入れた顔









流「…ごめん、ほんまに」





望「謝らんでや、俺が惨めになるやん」









望は自虐的に微笑んで立ち上がる









望「俺、もうフラれてるから」





流「は？」





望「幸せにしてやってや？

じゃないと、俺がまた略奪しにいくから」









アホな俺には望の言っていること上手く消化出来てなくて

でも、'Aに会いたい'ってただそれだけで









望「ほら、固まってないで行ってこい！」









ポンっと押された背中に望の笑顔









流「望、」







望「俺達は、変わんねぇからな 流星」









真剣な顔になった望は、誰よりもかっこよくて









流「おう！ いってくる」









罪悪感や不安が完全に無くなった訳じゃない

けど望の気持ち無駄にしちゃいけないって思うから









ちゃんと、伝えよ

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