略奪させていただきます

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Nozomu Side









呆れたように笑った流星が
俺達をおいて階段を上っていった









「ねぇ、いい加減 離してや〜」



望「いやや〜」









廊下には妙な静けさ
なんかA に甘えたい気分でぎゅーっと抱き締めて


髪に首を埋める









「あーついー」









ほのかに香る匂いと感じる違和感









望「…なんか匂い違くない？」




「え？」




望「いつものやつじゃない」









キレイな黒髪に指を通す
どこかで嗅いだことがあるその香りに記憶をたどる









望「流星、」









その名前に彼女の睫毛が微かに揺れた









望「流星と同じ匂いする」









Aは冷静でなにも動じずにこう言った









「あぁ、ずっと近くにいたからじゃない？

途中で会って一緒に登校してきたから」





望「あ、そーなん？」





「うん、匂い付いちゃったとか？」





望「そうかもな」





「多分、じゃあ行こっか」









にこっと笑って俺の手を引いて歩き出す





あまり深く考えて無かった。
Aに限って浮気なんてするわけないって









でも、その香りに言葉に感じた違和感は＿＿









望「シャンプー…」




「ん？」




望「え？あ、なんも！」









.









香水の匂いはうつっても


シャンプーの匂いは移らへんよ？

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