略奪させていただきます

11 ページ11

.









望「あっぢーー」









体育終わりシャツをパタパタ仰ぎながら
教室に続く廊下を歩く









流「また望に負けてもうたわ〜」




望「バスケは負けへんで！」









くしゃっと笑った望の視線がなにかを捉えて立ち止まる









望「A！」




「あ、のんちゃーん！」









端からみればバカップル
望は彼女に駆け寄ると子犬のようにはしゃぎだす









望「移動教室？」




「うん！ 科学嫌やわぁ」




望「また火傷したらあかんで？」









初めて二人並んだところみて
なんか、やっぱ

…お似合いやな、とか









望「あ！紹介するわ、俺の彼女のA！」









知ってるよ。

Aは俺をみて微笑むとペコッと頭を下げる









「佐竹です。いつものんちゃんがお世話になってます」




流「初めまして。藤井流星です」









他人行儀に挨拶して
身体で感じるスリル









流「なんや〜、望にもったいないくらい可愛い子やん！」




望「俺のやからな、駄目やでとったら！」









望が彼女の肩を抱き寄せて
それに添うように赤く染まる彼女の頬









流「…取るわけないやん、略奪とか興味ないから」









意識して口角をあげて笑って見せる

Aはそんな俺をみて全て見透かしたような表情









望「Aも！ 流星イケメンやからって揺らいだらあかんで！」




「大丈夫だよ、私はのんちゃんだけやで？」









その言葉に今度は望が耳を赤くする

…あざといなぁ、ほんま









.









なんか、面白なってきたやん

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す