始まり ページ1
別に親と仲が良かったわけではなかった
むしろ、世間からは毒親と呼ばれるような人達だったし。
家に居ないことの方が多い両親。
最後に顔を見たのはいつだろう。
最後に会話したのはいつだろう。
1週間前の様な1ヶ月前の様な気もする。
特に放課後友人と呼べるような子はひとりもいなくて
おしゃれなカフェとか、ゲームセンターとか
そんなところは行ったこともないし、無縁の場所。
誰も居ない小道を通って、コンビニでチョコを買って
帰宅するが、いつも玄関には私のローファーがあるかないかの二択なのに、今日はピンヒールが転がっている
珍しい。こんなお昼に。
お昼って言ってももうそろそろ16:00。
廊下を通ってドアを開けた
その先にいたのは
両親。と黒男。
全員が私に目を向けて
止まる秒針
「A、ごめん」
それが母の最後の言葉だった。
父は頭をぶち抜かれて、母は私を隠す様に目の前まで来て後ろから撃たれて崩れながら目の前で倒れた。
視界が広がる先には微かに香る火薬と、黒男
下を見れば数日ぶりに会った両親が思いもよらない形で倒れてる。
状況は掴めないし、何よりもどうしていいかわからない
恐怖で足が動かない
黒男は私に銃口を向けて近づく
あぁ、私も殺されるのか
だけど黒男が近づき私の顔を見て何かを感じたのか
「これも何かの運命だな」
そう言って彼は私の右肩に銃口を向けて弾いた。
痛みでその場にしゃがむ、いやや倒れるの方が正しいか
埋め込まれた銃弾。
どくどくと脈が打っているのがわかる
左手で押さえるが中々止まらない血
マジでやばい。
目の前で倒れている母
痛い、
痛い。痛い。助けて…
最後に天井を見上げれば
視界に入ったのは黒男
そのまま意識が途切れた
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作者名：スンドゥブ | 作成日時：2023年5月28日 10時
