雨 ページ38
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「A、
………っ、Aっ!?」
いつも通り仕事の昼休憩の時間に病室を訪れると
Aが消えていた
固定していたはずの器具が
すべて外されている
壊されているわけではないので
誰かが外したようだ
ナースコールを押して
Aが消えたことを伝える
反応からして
誰もそのことを知らないようだった。
取り敢えずAがどこに行くかを考えると
1つの考えが頭をよぎった
まさか、
ないよな…
そう思いながらも
足は階段を駆け上がっていた。
バァン
屋上の扉を勢いよく開けると
「A!!!!」
Aが柵を登っていた
必死に掴もうとしたのに
その手は届かない
.
.
思わず耳を塞いだ
それでもその大きな音は嫌でも聞こえてきて
現実ではないと信じたいのに
夢ではないという絶望感が上回る
腰が抜けて
その場に座り込んだ
雨の音が異常に響いて聞こえる
脳の中では
何かに抱き付くかのように
手を動かしたAが
ゆっくりと下へ落ちていく光景が
永遠にリピートされていた。
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F.LN.(プロフ) - かれんさん» コメントありがとうございます!作者の趣味全開のお話ですが、上手くそれが表現できたか心配だったのでそう言ってもらえるととても心強いです!!これからも是非よろしくお願いします! (2020年6月14日 20時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 素晴らしすぎるお話でした!こんなお話待ってました!ありがとうございます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: dcea1dee4c (このIDを非表示/違反報告)
F.LN.(プロフ) - A yaさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです!これからも是非よろしくお願いします! (2020年4月5日 10時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
A ya(プロフ) - 先が読めなくて不思議なお話ですね…どんな展開が待っているのか楽しみです。更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2020年4月4日 23時) (レス) id: 9fd208efbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:F.LN. | 作成日時:2020年3月31日 17時