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「うわ、最悪だ」








コンビニを出れば

空はいつの間にか機嫌を悪くして

大粒の雨を降らせていた




あまりにも急だったので傘は持っていない

だからといって、

コンビニで買うのも勿体ない





「ホソギヒョンのおつかいなんか

頼まれるんじゃなかった…」





傘は諦めて

雨の中、家への道を急いだ。









いつも通る公園





もちろん子供は1人もいない


けれど、


大人が1人




傘もなく

ベンチに、1人



「…っ、A」






久しぶりに見たその姿に

ドクンと心臓が嫌な音を立てる




ゆっくりと近づいていくと


Aが俺の方に顔を向けた






「あ、ジョングクだね

あはっ、あめだよ、あめだネ

やっと降ったね

私干からびなかったヨ

いいね、楽しいネ、あはっ」





ヒヤリと

背筋が凍った




「A………?」




何も映されていない目

機械的な動きと口調

笑っているのか笑っていないかもわからない



「どーしたジョングク?

あめだよ、楽しいヨ

嬉しくない?カナシイ?」






違う、




これは


Aじゃない…





「……だれ、?」




ゆっくりと後退る






こわい、




だれか


たすけて、




俺と、


本当のAを




助けて









「あはっ、ジョングク、Aダヨ

忘れた?あれれれ、忘れちゃタノ?」







その声を聞いた瞬間


俺は弾かれたように逃げ出した。









いつまでも

あの目に

見つめ続けられているような感覚に陥って


ガタガタと震える足









うごけ、俺の足






お願いだから

止まらないでくれ。









.









もしあの日


俺がAの事を意地でも離さなかったら、

離れることを許さなかったら


こんなことにはなっていなかった?








ちがう、


ちがうでしょ?


お願いだから違うと言ってくれ








Aがあんな目をするようになったのは








俺のせいじゃないと




信じさせて。









じゃないと俺は


どうにかなってしまいそうだから。







.

雨→←晴れ



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F.LN.(プロフ) - かれんさん» コメントありがとうございます!作者の趣味全開のお話ですが、上手くそれが表現できたか心配だったのでそう言ってもらえるととても心強いです!!これからも是非よろしくお願いします! (2020年6月14日 20時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 素晴らしすぎるお話でした!こんなお話待ってました!ありがとうございます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: dcea1dee4c (このIDを非表示/違反報告)
F.LN.(プロフ) - A yaさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです!これからも是非よろしくお願いします! (2020年4月5日 10時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
A ya(プロフ) - 先が読めなくて不思議なお話ですね…どんな展開が待っているのか楽しみです。更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2020年4月4日 23時) (レス) id: 9fd208efbf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:F.LN. | 作成日時:2020年3月31日 17時

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