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遂にそれは
俺の家の前で速度を落とし、止まった
ピンポーン
家のインターフォンが鳴る
ゆっくりとゆっくりと玄関を開けると
「宅配便でーす」
俺の肩幅くらいのダンボールを渡された
震える手で
テープを切り中を覗く
「っ、」
.
そこには
大量の黒い髪の毛に埋もれた"右腕"と、
カノジョに付けたはずの
"全てのGPS、壊れた盗聴器と盗撮カメラ"が
姿を現した
俺が愛するヒトの香りと鉄の匂いが
ほんのり香ってくる
「…………ふはっ、ははは
………………っ、ヒョンが殺しちゃったら
俺の楽しみが、なくなっちゃうじゃん…」
________________________________________
ジョングクへ
僕との約束
忘れちゃったの?
約束を守らない悪い子には
お仕置きしないとね
ヒョンは君達が凄く心配なんだよ?
愛する僕の妹と弟を
害虫から守らないと。
そうでしょう?
__________より
__________________________________________
小さなメモ用紙を握り潰す
舐めていた
流石に外国にいたら何も分かるまいと思っていた
そのうち、
ヌナは完全に兄をないものとし
僕は完全に忘れ去った
まるで2人姉弟かのように生きた。
そうだ
ヒョンはこういう人だった
歪みきった
"過"保護
俺たちの"普通"の感覚は
このヒョンに刻み込まれたものだった
幼い頃に両親を亡くしたせいで
僕達を育てたのは
紛れもないこのヒョンなのだから。
愛する者の為ならば
どんな事だってしてしまう
それが、俺達の兄だった。
「はぁ、」
完全に楽しみを横取りされ
愛も否定され
座っている気力もなくなり
床に倒れ込む
「次は
……ヌナの番だね」
ねぇ、
ヌナはヒョンに……勝てるの?
ぐちゃぐちゃになったメモ用紙を広げて
最後の名前を指でなぞりながら読み上げる
「ソ ク ジ ン よ り」
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F.LN.(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» ああありがとうございます!!私的には毎回話を深く掘り下げられなくて納得がいかないのですが…そう言って頂けるととても嬉しいです! (2020年7月8日 23時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 毎回、どうしたらこんなお話が思い付くんだ!?ってくらい読み応えあります!尊敬します…。 (2020年7月8日 17時) (レス) id: f760c82735 (このIDを非表示/違反報告)
F.LN.(プロフ) - JIN LOVEさん» コメントありがとうございます!他の作品までありがとうございますっ!とっても嬉しいです。これからも是非よろしくお願いします! (2020年3月31日 20時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
JIN LOVE - すごい面白かったです。ぞくぞくしました。これからほかの作品も見ますね!!良い作品を書いてくださってありがとうございました。 (2020年3月31日 19時) (レス) id: 7edd2e40dd (このIDを非表示/違反報告)
F.LN.(プロフ) - 美味さん» コメントありがとうございます!残りの物語で皆さんの期待を裏切る気しかしません…すみません。私なりに頑張るので今後ともよろしくお願いします! (2020年3月28日 17時) (レス) id: f0ebf9a423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:F.LN. | 作成日時:2020年3月16日 20時