命の灯が消えるまで。【稲荷崎】 (ページ5)

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〝２２〟北さんページ5

*

いつも通り何の変哲もない授業が終わり、
部活の時間になる。

『北さん、今度の
インターハイ予選の事なんですけど＿＿＿。』

北「せやな、そしたらここは＿＿＿＿。」
私は、北さんに
今度行われるIH予選の事について話す。

北さんは、倫太郎達から凄く恐れられている。
確かにその気持ちは分からなくもない。

隙は全く見せないし、
その上、正論パンチを炸裂してくる。

北「A。」

『は、はい！』
いつもより低い声で名前を呼ばれ、
肩がﾋﾞｸｯとなる。

北「何を考えとったのかは知らんけど、
ちゃんと人の話は聞かなあかんで。」

『…ｽﾐﾏｾﾝ』

…北さんは本当に怖い。

だけど、

北「A、その荷物重いやろ？持ったる。」

『え、いや…』

北「ええんや。
女の子にこんな重い物持たせたらあかん。」

私が部活の荷物を運んでいる時、
私の持っていた荷物を持ってくれたり、

北「A、体調悪いんか？」

『あー…ちょっと元気が出なくて。』

北「さよか。無理はしのうてええねん。

少し休んどき。」

『…有り難うございます。』

私の体調が悪い時、
誰よりも早く気付いて気遣ってくれたり、

北「ん、」

『？』

北「頑張ったご褒美や。」

『あ、有り難うございます。』

時々、部活後に頑張ったご褒美として、
アイスなどを奢ってくれたりする。

怒らせたら怖いけど、とっても良い先輩。

『(…優しいなぁ。)』