命の灯が消えるまで。【稲荷崎】 (ページ18)

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〝９〟呼び出しページ18

*

人気の無い校舎裏。

そこには3人の女の先輩がいた。

「松本Aちゃん、やっけ？」

『はい。』

「自分、何で呼び出されたか分かる？」

『分かりません。』

「単刀直入に言うとな、

バレー部にもう近づかないで欲しいんよ。」

『でも、私はマネージャーです。』

「安心してな？
あんたみたいなマネージャー、
誰も求めてへんから。」

それは私が一番知ってる。

『…』

「バレーの知識もマネージャーの知識もゼロ、
おまけに突飛したところも無いポンコツが、

強豪であるうちんとこのバレー部に
必要やと思う？」

確かにそうだけど、私だって
皆の役に立てるよう、一生懸命頑張ってる。

『…』

「なぁ、要らんよなぁ？

しかも自分、部員に嫌われてるらしいやん。」

『…嫌われてません。』

「…ﾁｯ、大概にせぇや！！！

お前なんか、いてもいなくても
どうでもいいゴミやねん！！」

『…』

"どうでもいいゴミ"
という言葉を聞いた時、
心臓がｽﾞｷｽﾞｷと傷んだ。

「最近、信介と仲ええらしいなぁ？」

信介…
北さんの事か。

「信介、言うとったで。

…あんなゴミ、バレー部(うち)には要らんって。」

『北さんは、
そんなこと言う人じゃありません。』

「何やねん、さっきから。
2年のくせにイキんなや。」

『…』

「悪い子にはお仕置き、せんとあかんなぁ？」

『え、』

先輩はそう言うと、何かを取り出した。

太陽の光が反射して、
それがｷﾞﾗﾘ、と光る。

『えっ、ちょっと、やめてください！』

「うっさいわ！！！

大概にせぇ！！黙れや！！！」

そう言って、
一人の先輩がそれを私に向けて振りかざした。

私は怖くて目を瞑った。

ｸﾞﾁｭｯ…

と、嫌な音が聞こえる。

だが、

『(痛くない…？)』

「黙んのは、お前らや。」