命の灯が消えるまで。【稲荷崎】 (ページ17)

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〝１０〟嫌がらせページ17

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ふと、視線をゴミ箱に向けると、
"松本A"
と書かれてある教科書を見つけた。

『…またか。』

あの噂を広められてから、
数々の嫌がらせを受けるようになった。

私物を隠されたり、捨てられたり、
バレー部に関する噂を立てられたり、

中には
部活に支障をきたすほどのものもあった。

呼び出しをされることもある。

それでも、
治や倫太郎、部員さん達は
私の味方をしてくれた。

何か嫌な事があるごとに、
北さんに相談しに行ったりもした。

北さんはちゃんと私の話を聞いてくれた。
慰めてくれた。
本当に、本当に良い人だ。

とある日、私は
3年生の先輩に、呼び出しをされた。

まぁ、いつも通りでいけば、
数分で終わるだろう。

この呼び出しが、
後の私の人生を狂わせる事になる。