命の灯が消えるまで。【稲荷崎】 (ページ15)

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〝１２〟分かってくれた人ページ15

*

そして、部活の時間になった。

暴言吐かれたり、
暴力されたりするんじゃないかと、
とても不安でいたが、案外大丈夫だった。

まぁ、そりゃあそうか。
もう高校生だしね。
そんな幼稚な事はしないよね。

『ドリンクどうぞ。』

角名「…ありがと。」

治「ん。」

皆、何となく素っ気ないが、
ちゃんとしてくれているので良かった。

侑「…」

佐々木「…」

とある2人を除いて、だが。

侑にドリンクをあげても、
明日香ちゃんに
マネージャーの事について話しても、

素っ気ないどころか、無視される。

…2人に何があったんだろうか。

そして今朝のは何だったんだろうか。
私を陥れるための罠…？
まさか明日香ちゃんが…？

いや、そんな訳がない。
明日香ちゃんは優しくて良い子なんだから。

でも、やっぱり…

自分の頭の中で葛藤を繰り広げていると、

北「A、ちょっとええかな？」

北さんに呼び出された。

北「…単刀直入に言うけど、
朝のアレはAの仕業ちゃうよな？」

『…はい。』

北「やったら、良かった。
自分も、Aやあれへんやろうな
って思うててん。

ちと不穏な空気が流れとるけど、
あんま気にせんでええよ。」

『…有り難うございます。』

北「それに、
何か辛い事があるんやったら言うてな。」

『有り難うございます。』

北さんは私の事を分かってくれた。
本当に良い人なんだな…

その後、

倫太郎と治も、普通に話しかけてきてくれた。

角名「今朝は疑ってごめん。けど、
何があっても俺はAの味方だから。」

治「俺もや。」

そう言ってくれて、とても嬉しかった。