振り向いてほしい。【宮侑】【北信介】 (ページ7)

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６＊片割れページ7

*

あれからしばらく
バレー部の練習が終わる位まで見ていた。

ギャラリーも少なくなって来たし、
そろそろ帰ろうかと思い、
体育館の外へと出た。

葵「カッコよかったやろ？バレー部。」

『まぁ…ね。』

確かにカッコ良かった。

宮侑は、
さすが高校No.1セッター
と言われるほどのプレーを見せていたし、
その他のプレイヤーも上手だった。

「あ、石津。」

葵「！
角名、お疲れさん。」

二人で体育館からの道を歩いていると、
部活終わりの角名倫太郎に会った。

角名「あ、そっちは…

菅原Aさんだっけ？」

『あ、は、はじめまして。』

角名「はじめまして。

標準語、同じだね。」

『…た、確かに！！』

標準語に少し懐かしさを感じる。
…周りには、
関西弁を喋る人しかいなかったからなぁ。

角名「菅原さんのことは、
石津から聞いてるよ。

ベストリベロ賞だっけ？
凄いね。」

『うん、2年前の話だけどねー。』

何だろう。
標準語のせいか、
それともこの人のコミュ力のせいなのか、
とても会話が弾む。

それからしばらく話していると、

「角名ー。」

角名「ん？」

角名倫太郎の後ろから、
見覚えのある人物が現れた。

『ｹﾞｯ…宮侑…!!』

そう、私の目の前に現れたのは宮＿

「？
俺はツムちゃうで。」

『え？』

え、だって…

『…あ。』

暗くてよく見えなかったが、
よく見ていると髪色が違う。

金髪じゃなくて、銀髪だ。
しかも、雰囲気もどことなく優しそうだ。

宮侑のもう一人の方…

『あ、ごめん。
宮治さんの方だっけ…？』

「うん、そうやで。」

『てっきりもう一人の方かと…』

治「まぁ、よう間違えられるからなぁ…

しゃあない。」

角名「ｵｯﾎﾎ。」

葵「いや、笑い方。」

治「そういえば自分、ツムと仲悪いやろ？」

『え、何で知って…』

治「ツムから聞いたで。」

え、それヤバくない？
もうバレー部に知れ渡ってるってこと？

治「中学時代、凄腕のリベロだったやつが
クラスにおるってゆうてな、
めっちゃはしゃいどったんよ。」

『…』

治「ただ、感じ悪いから無理やわー
ってゆっとってな…」

葵「良かったやん、知られてて。」

『良くないわ！！！ぜんっぜん！！

てか、私そんなに有名だったんだね！』

角名「そりゃあね…
雑誌で特集も組まれてたし…」

葵「知らないやつとかおらんやろ。」

『…』