振り向いてほしい。【宮侑】【北信介】 (ページ44)

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４０＊気付かないページ44

*

『えっ、ちょっと北さ…』

北「寒いんやろ？」

『でも、そしたら北さんが…』

北「ええよ、少しくらい。」

『でもｯ…』

この前もそうだし、今日だって…

北さんは、
私の事どうも思ってないはずなのに、
どうしてそんなに私を優しく抱き締めるの？

そんなことしたら…私、

.

『勘違い、しちゃいますよ…』

北「…

してもええよ。」

『え…』

.

それってどういう意味…

.

尾白「北～？どこ行ったん？」

北「あ、すまん。
ここにおる。」

アラン先輩の声が聞こえた途端に
抱き締めていた腕を離された。

尾白「えっ！？菅原さんどないしたん！？」

北「なんか、水をかけられたらしうて。」

尾白「うわ…服はどないするん？」

北「俺のジャージ貸すわ。」

『えっ！？』

そう言って、
自分のジャージを私に差し出す。

『いやでも、これは…!!』

北「ええねん、風邪引くよりはましやろ？」

『でも…』

尾白「ええやん、着れば！
どうせ、着るもん全部濡れとるんやから！」

『…わ、分かりました！
あ、有り難うございます！！』

.

.

更衣室に入り、自分の制服を脱ぎ、
まだ濡れていないタオルである程度水をふく。

そして、北さんから借りたジャージに
袖を通した。

やば、北さんのだ…
少し、大きい…

着替え終わってから、
また、北さんたちの元へと戻る。

尾白「お！終わったか！」

北「ふふっ…ちとおっきいなぁ。」

『ほんとにすみません！
明日、洗って返します！！』

北「おん、ええよ。
ほな、帰ろうか。」

そして、
私はアラン先輩と北さんと三人で帰った。

.

そして、
北さんの顔は終始、ずっと真っ赤だった。

少しだけ可愛いななんて思ってしまった。

.

.

「…ｯ!

俺じゃダメなんか、菅原さん…？」

誰かがそう嘆いているのも知らずに。

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次から時間が少し巻き戻ります。