39*また、 ページ43
*
北さんが好き
という自覚をしてから、
あまり侑くんには構わなくなった。
そのせいで最近また、侑くんの機嫌が悪い。
でも別に気にしない。
私が好きなのは北さんなんだから。
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しかし、
とある日の部活の終わり。
事件は起きた。
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私は制服に着替え終わって
部室から出たときだった。
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ビシャァァッ…!!
『きゃっ…!?』
突然、後ろから冷たい何かをかけられる。
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私は急いで振り向くと、
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前に私を呼び出してきた
女子の先輩たちがいた。
「あんたほんまウザイねん!!」
それだけ吐き捨てて
どこかへと逃げていってしまった。
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『うわ…最悪…』
多分かけられたのは水だと思う…が…
頭からかけられたので、
髪の毛はもちろん、
制服も全てビショビショになってしまった、
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…こういうことって実際にあるんだね。
漫画の中だけかと思ってた。
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『クシュンッ!!』
あー、最悪…風邪ひいたよこれ。
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私がブルーな気分になっていた
その時だった。
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「菅原さん?なにしとん?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
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『…北さん。』
北「…ッ!?
びっしょりやんけ。何があったん!?」
『ちょっと、
3年生の女の先輩に水をかけられまして…』
北「…最低やな。
どないしようか。制服もびっしょりやんな…
体操服とかある?」
『いや、実は鞄もビショビショで…』
北「…さよか。
せやったら、これ、着とき。」
そう言われて、渡されたのは
北さんの上ジャージ。
『えっ、いやでも!!
これじゃあ、濡れてしまいますよ…!』
北「ええねんええねん。」
『いやで…クシュンッ!!』
北「!
風邪ひいたん?」
『いやちがっこれは…』
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次の瞬間、
目の前が真っ暗になった。
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『…ッえ』
数秒経って、
私は北さんの腕の中にいる事が分かった。
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『えっ、ちょっと北さ…』
北「寒いんやろ?」
『でも、そしたら北さんが…』
北「ええよ、少しくらい。」
『でもッ…』
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作成日時:2020年9月16日 19時