29*後悔 ◇ ページ33
◇
「…自分、北さんの事好きなん?」
『へ?』
後ろから声をかけると、
菅原さんはビックリしたようにこっちを見る。
「聞いとるんやけど。答えろや。」
『い、いや、別に…?』
答えをはぐらかしとる菅原さんに
俺は我慢の限界やった。
「結局自分も部員目当てやったんやな。」
気付いたら自分でもビックリするぐらい
冷たく、低い声でそう言い放っとった。
『違う。』
菅原さんは今にでも泣きそうになっとった。
あかん、こないな事言うたら…
せやけど、俺の口は止まることはあれへんかった。
「そういう女、ほんま迷惑やねん。」
やめろ、そう言う事が言いたいんやない。
『だからっ…違う…』
「ほんまずるい女やな。」
やめろや、言うな、言うなや!!
『だからっ、ちが』
「うっさいわ!!!言い訳すんなや!!
言うとくけど、
お前みたいな女が一番邪魔やねん!!!
恋愛ごっこなら他でやれや!!!!」
角名「ちょっ、侑…!」
『酷いよッ…』
「…ッ。」
俺が気付いた頃には、
菅原さんは体育館から出ていってしもた。
あかん、言うてもうた…
俺は前を向けのうて、俯いた。
治「ツム。」
俯いた俺に、サムが話しかけてきた。
治「何しとんねん。」
「…。」
俺はさっきした事がどんだけ
アホで馬鹿で間抜けやったか、
後悔で胸がいっぱいになりよった。
そのせいで、
サムに話しかけられても、
何も返すことが出来へんかった。
角名「侑、あれはさすがに酷いよ。」
角名にそう言われて、
ふと前を見てんときやった。
北「…ッ。」
北さんが、
菅原さんの逃げた方へ走っていくのが見えた。
ーーーーーーーーーーーーーー
次から時系列戻ります。
313人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2020年9月16日 19時