振り向いてほしい。【宮侑】【北信介】

２０＊探しとった子 ◇ ページ22

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その子は俺を見て、
しばらくの間、固まっとった。




「A？どうしたん？」


『あ、うん…平気。
せ、席に着こうか！』

友達に話しかけられて、
やっと正気を戻したみたいやった。


『えーっと、ここだ！

って、え…』



その子は俺の席の隣に来て、
俺の顔を見たと思たらすぐに目を反らされた。

「(…感じ、悪。)」

そんな事を思うてるうちに、
先生が来て、HRが始まった。





HRが終わると、
その子は友達の方へと向かっていった。


その2人は何かから逃げるようにして、
教室を出ていった。









A。

多分あの子は、
俺が探してた菅原Aやと思う。


でも、中学ん時見に行った試合では、
ショートカットやった。
今は肩くらいの長さやった。


それに、もっと笑う子や。
なのに今さっき、俺の顔を見て、
めっちゃ嫌そうな顔しとった。





「…何やねん、ほんまに。」

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