１６＊冷めない熱 ページ18
*
北「菅原さんそれ重ない？持つで。」
部活中、
私がスクイズが入ったかごを運んでいると、
北さんに話しかけられる。
『あ、だ、大丈夫です！』
北「無理せんでええよ。」
そう言って、かごを持ってくれる北さん。
『…優しいなぁ。』
北「？
何か言うた？」
『へっ、いや…な、何でもないです！』
ｷｭｷｭｯ
ﾊﾞﾝｯ
北「…ｯ!」
治「北さん、ナイスレシーブ！」
『(…かっこいいなぁ。)』
角名「菅原さん。」
『へっ！？』
角名「スクイズちょーだい。」
『あ、はい！』
…いつの間に休憩時間になってた。
角名「具合でも悪いの？」
『いや…別に。』
角名「さっきの試合、
誰かの事をじーっと見てるようだったけど。」
『え、え、ちょ、ど、どどどういう事！？』
角名「…ﾌﾟｯ。動揺し過ぎ。
…で、誰が好きなの？」
『はぁ！？
いや別に好きな人とかいないから！』
角名「ふーん。
…もしかして、北さん？」
『へ？』
その言葉を聞いた瞬間、
心臓がﾋﾞｸｯ、と跳ねた。
自分の顔に熱が集まるのを感じる。
角名「顔あっか…」
『いや、これは違っ…』
北「何しとんねん、角名。
マネージャーにちょっかい出すなや。」
角名「…ｽﾐﾏｾﾝ。」
北「ほな、練習始めるで。」
そう言って、北さんはコートに戻っていく。
角名「…
バレバレだよ、Aちゃん？」
ﾆﾔﾘ、と黒い笑みを私に見せつけ、
角名くんはコートに戻っていった。
『なんなのあの人…』
2人が行った後も、
しばらくの間は
顔の熱が冷めることは無かった。
「…何やねん、アイツ。」
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作成日時：2020年9月16日 19時
