たくみくんのそらね (ページ1)

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タイトルページ1

ある夜のことです
その夜は、ヒナタとカムイとオボロが、三人で集まっていました。

鍛錬でもしているのでしょうか？
おや、…違うみたいですね、三人で話をしています。

「…暇だね。」
「うおー！！暇だー！！」
「ヒナタうるさいわよ。タクミ様はもう就寝してらっしゃるんだから。それにカムイ様もいるというのに…！」
「あはは、僕のことは気にしないで、暇なのは僕も同感だし……ふぅ。」

こんな風に
みんな、手持ち無沙汰でダラダラとお話ししています。

そう、みんなの言う通り、今夜は特に仕事もなく、とてもとても暇だったのです。

さらに、今日は鍛錬をしてはいけない安息日。
鍛錬大好きなヒナタにとってはかなり暇な日でした。

いつもきびきび働いている三人。今夜くらい休めばいいものを、
真面目な白夜人の性でしょうか、
何かしようと言う話に話題が変わっていきました。

この三人で出来ること、できれば他の人にも利益が行くようなこと、
さらにタクミの臣下二人がいるものですから、
タクミに何か作ってあげようという結果に落ち着きました。

「とは言ったものの…何を作ればいいんだ？俺はそんなに器用な真似はできないぜ？」
「うーん…タクミ様が喜ばれるようなもの…」

二人が悩んでいたその時、
「あ！そうだ！」
カムイが何か思いだしました！

「カムイ様、何かいい案が？」
「うん、この間タクミが、僕とツクヨミが街に出かけてぼた餅を買ってきて食べてるのを見て、

『何それ、…ぼた餅？……それしかないの？
…ないんだ、ふーん……あ、べ、別に欲しいわけじゃないからな！』

って言って向こうに走ってったことがあって…
きっとタクミもぼた餅食べたかったんだと思うんだ。」

タクミの話を聞いた二人は

「そんなことがあったのか…！」
「そうと決まったら、早くぼた餅の材料を買いに行きましょ！餅を丸めるくらいならヒナタでも出来るでしょ！」
「オウヨ！」
「ではカムイ様！行ってまいります！」

もうぼた餅を作る気まんまんで、玄関へとダッシュして行きました

「！ま、待ってよ！僕も行くよー！！」

その後を置いていかれたカムイが必死で追いかけて行きます。

シーーーーン…

誰もいなくなった大広間。
物音１つしなくなりました…

コトコト

っと…んん？

誰も居ないはずなのに、何か音がします。

襖が開いて、そこから出て来たのは、
「…オボロ、ヒナタ、カムイ兄さん…」

おや！さっきから話題になってたタクミさんじゃないですか！